初恋は苦くて甘いカフェオレの味
何をしていても気づけば頭の中には及川くんが浮かんでくる。
時々見せる、貴重な笑顔。
昨日後ろからぎゅっと抱きしめられたときの感覚とか…
自分で思い出しておいて、恥ずかしくてたまらなくなる。
「あ、あれ王子じゃん。…一緒にいるのって、1年の女子だし。やっぱり人気者は学年関係なくモテますねー」
「…え?」
つい今考えていた人が少し先にいて、私はちょっと戸惑った。
不機嫌度マックスで眉を潜める及川くんを全く気にすることなく話しかけている女の子。
上履きの色で1年生ってわかる。