初恋は苦くて甘いカフェオレの味
「お、お、王子様!?」
学校で知らない人なんかいないくらい、超絶人気の、及川くん。
並外れたルックスの良さに、勉強だってピカイチの、まさに完璧の塊でできた王子様みたい。
だから女子たちの間ではまんま"王子様"呼ばわりされてる。
当の本人はエプロン姿での登場だった。
向こうも私の制服を見て同じ学校の生徒だとわかったみたいで、目をまん丸にして驚いてる。
「やっぱり、雅と同じ学校の制服だったんだね。てか、雅お前、学校じゃ王子様って呼ばれてるのか?」
ぷっと吹き出して笑うおじさん。
「あっ!…ごめんなさい」
今更になって、私は口を押さえたけど、もう遅い。