初恋は苦くて甘いカフェオレの味
「すいません、急に引き止めたりして。時間とってくれて、ありがとうございました」
「…あ、ううん。大丈夫!」
本音は、大丈夫じゃない。
本当に突然のことだったか、まだ全然整理がつかないし、まともに槙野くんの顔を見れない。
「一緒に帰りますか?」
「……あ、ごめん!私ちょっと向こうのお店に用事あるから、そこ寄って帰ろうかな」
今の状態で一緒に帰るのは、さすがに気まずい。
そんな予定もないのに、とっさにそんな嘘をついた。