お姫さまは、4人の義弟の愛に翻弄される
1章
超イケメン義弟、現る!?
「ねえ、お母さん。ホントにしっかりしてよ。」
「ん~?ちょっとうるさいから黙ってちょうだい。」
私は電気のついていない暗いリビングで、大きなため息をついた。
お母さんはいつもこうだ。毎晩ホストクラブに通い詰めては、酔いつぶれて帰ってくる。おまけに、ろくに働かないし、それどころか家事も何一つとしてやらない。
せめて2人暮らしなんだから、掃除くらいはしてほしい。毎日、母親の代わりに家事とバイトをやる私の身にもなってほしいものだ。
私の名前は、花恋という。高1。
私は今、お母さんと2人暮らしをしている。お父さんには会ったことがない。なぜなら、お父さんは有名な浮気男で、お母さんが私を妊娠したと知ったとたん、どこかに逃げて行ってしまったからだ。
とはいえ、お母さんもお母さんで大の男好きで、複数のホストクラブに通い詰めている。
「もう、眠いから寝るわぁ。あんた、ちゃんと勉強しなさいよぉ?」
「うん、おやすみ。」
お母さんは、パタパタとスリッパを引きずりながら寝室へと去っていった。
「なにいってるの。あんたのせいで、勉強する時間なんて1秒もないのに。」
そういうところだけ母親っぽくするお母さんに腹が立つ。いや、腹が立つどころじゃない。でも、この15年の人生で怒りを制御する技術は、誰にも負けないくらいに磨かれてきた。そのためか、私は怒鳴ったり叫んだりすることは、ほとんどない。というか、やり方を知らないだけ。
私は、黙々と食器洗いを始めた。
食器洗いといっても、お母さんが使ったワイングラスやワイングラスやワイングラス…だけ。
そもそもワイングラスなんて、1つに繰り返し注げばいいのに、お母さんはこだわりが強くてそれをしない。
「せめて、食器洗い機があればいいんだけどな。」
うちじゃ、買えないか。
母親が働かないシングルマザーの家が、そんな高価なものを買えるわけがない。
「はあ。」
ひとつ、短くため息をついて、私はお母さんの寝室へと向かった。
気持ち良さそうないびきが聞こえることをドア越しに確認した私は、バッグを片手に家を出た。
私は、毎日深夜、コンビニで7時間働いている。
バイトで働き始めて1週間で、従業員に認められた。
夜10時から朝5時まで。月給は105,000円。
こうして寝る時間を削って働いているのは、お母さんには秘密だ。
「ん~?ちょっとうるさいから黙ってちょうだい。」
私は電気のついていない暗いリビングで、大きなため息をついた。
お母さんはいつもこうだ。毎晩ホストクラブに通い詰めては、酔いつぶれて帰ってくる。おまけに、ろくに働かないし、それどころか家事も何一つとしてやらない。
せめて2人暮らしなんだから、掃除くらいはしてほしい。毎日、母親の代わりに家事とバイトをやる私の身にもなってほしいものだ。
私の名前は、花恋という。高1。
私は今、お母さんと2人暮らしをしている。お父さんには会ったことがない。なぜなら、お父さんは有名な浮気男で、お母さんが私を妊娠したと知ったとたん、どこかに逃げて行ってしまったからだ。
とはいえ、お母さんもお母さんで大の男好きで、複数のホストクラブに通い詰めている。
「もう、眠いから寝るわぁ。あんた、ちゃんと勉強しなさいよぉ?」
「うん、おやすみ。」
お母さんは、パタパタとスリッパを引きずりながら寝室へと去っていった。
「なにいってるの。あんたのせいで、勉強する時間なんて1秒もないのに。」
そういうところだけ母親っぽくするお母さんに腹が立つ。いや、腹が立つどころじゃない。でも、この15年の人生で怒りを制御する技術は、誰にも負けないくらいに磨かれてきた。そのためか、私は怒鳴ったり叫んだりすることは、ほとんどない。というか、やり方を知らないだけ。
私は、黙々と食器洗いを始めた。
食器洗いといっても、お母さんが使ったワイングラスやワイングラスやワイングラス…だけ。
そもそもワイングラスなんて、1つに繰り返し注げばいいのに、お母さんはこだわりが強くてそれをしない。
「せめて、食器洗い機があればいいんだけどな。」
うちじゃ、買えないか。
母親が働かないシングルマザーの家が、そんな高価なものを買えるわけがない。
「はあ。」
ひとつ、短くため息をついて、私はお母さんの寝室へと向かった。
気持ち良さそうないびきが聞こえることをドア越しに確認した私は、バッグを片手に家を出た。
私は、毎日深夜、コンビニで7時間働いている。
バイトで働き始めて1週間で、従業員に認められた。
夜10時から朝5時まで。月給は105,000円。
こうして寝る時間を削って働いているのは、お母さんには秘密だ。