お姫さまは、4人の義弟の愛に翻弄される
突如、道の先にクラスメイトの姿が見えた。
とっさに、物陰に隠れた。
夜に働きに出ているなんて、誰にも知られたくないし、あの母親のことも、知られたくない。
それに、学校では真面目に過ごしている私が、夜の商店街にいるだなんて知られたら、噂になるだろう。
夜遊びでもしていたのだろうか。こんなに遅い時間に、ここにいるなんて。
クラスメイトは、数名と楽しそうに話しながら歩いている。つるんでいる数名は、知らない人だから、おそらく違う学校の人だろう。
商店街を抜けるのを見届けてから、物陰から出た。
仕事の時間に間に合わなかったら大変なので、走ってコンビニまで向かう。
「いらっしゃいませー!」
お客さんにそう言ってから、店の裏に入る。
「あ、花恋ちゃん!遅刻ギリギリ!でも間に合ったからいらいっ!」
「えへへ…。」
そう言って頭をなでてくれたのは、このコンビニ従業歴30年のベテラン、和花(のどか)先輩。
和花先輩は、何かと私を可愛がってくれる。だから、私は和花先輩のことが大好きだ。
「よし!じゃあ、店長に挨拶に行ってくるのだ!何言われても気にしちゃダメよ?」
「はい!」
このコンビニの店長は、女好きの女たらしで、毎日ホステスに通うほど。
私たち店員への言動も、とても気持ち悪いのだ。
嫌々ながら、店長がいる部屋に入った。
「店長、こんばんは。片吹(かたぶき)花恋です。今日もよろしくお願いします。」
「花恋ちゃんかあ。高校生なのに、大変だねぇ。ときには休んで、リフレッシュするんだよ。僕が遊んであげるから。」
「結構です。では、仕事に行きます。」
「んん~!可愛くないなあ。もうちょっと可愛げがあれば、絶対モテモテだと思うんだけどなあ。例えばさ、さっきも、じゃあ今週末開いてますか?とか、聞い…」
バタン!
と、ドアを閉めた。
あれを最後まで聞いていたら、日の出が来てしまう。
本当に気持ちが悪い。考えるだけで身震いがする。
完全に「セクハラ」というやつだ。
「花恋ちゃーん!私、仮眠とるから、レジよろしく!」
「はい、分かりました!お客さま、こちらのレジへどうぞー!」
そうして、日の出がやってきた。
仮眠はとったけど、やっぱり眠気がする。
和花先輩は、ケロリとした様子だ。
「花恋ちゃん、お疲れさま!1人暮らし作戦はどんな感じ?」
1人暮らし作戦、とは、コンビニでお金を貯めて、あの母親から逃げて1人暮らしを始める、という作戦だ。
このことは、和花先輩だけに言っている。
「順調っちゃ順調ですけど、やっぱり部屋を買うお金だけじゃないので、まだまだですかね。」
「そっかあ、そうだよね。高校の授業料も高いんでしょ?」
「そうなんですよ。」
「まあ、頑張れ!私は、ずっーーーーと、花恋ちゃんの味方だから。」
「ふふっ。ありがとうございます。そう言ってくれる人がいるだけで嬉しいです。」
「じゃあね!また明日!」
「さようなら!」
とっさに、物陰に隠れた。
夜に働きに出ているなんて、誰にも知られたくないし、あの母親のことも、知られたくない。
それに、学校では真面目に過ごしている私が、夜の商店街にいるだなんて知られたら、噂になるだろう。
夜遊びでもしていたのだろうか。こんなに遅い時間に、ここにいるなんて。
クラスメイトは、数名と楽しそうに話しながら歩いている。つるんでいる数名は、知らない人だから、おそらく違う学校の人だろう。
商店街を抜けるのを見届けてから、物陰から出た。
仕事の時間に間に合わなかったら大変なので、走ってコンビニまで向かう。
「いらっしゃいませー!」
お客さんにそう言ってから、店の裏に入る。
「あ、花恋ちゃん!遅刻ギリギリ!でも間に合ったからいらいっ!」
「えへへ…。」
そう言って頭をなでてくれたのは、このコンビニ従業歴30年のベテラン、和花(のどか)先輩。
和花先輩は、何かと私を可愛がってくれる。だから、私は和花先輩のことが大好きだ。
「よし!じゃあ、店長に挨拶に行ってくるのだ!何言われても気にしちゃダメよ?」
「はい!」
このコンビニの店長は、女好きの女たらしで、毎日ホステスに通うほど。
私たち店員への言動も、とても気持ち悪いのだ。
嫌々ながら、店長がいる部屋に入った。
「店長、こんばんは。片吹(かたぶき)花恋です。今日もよろしくお願いします。」
「花恋ちゃんかあ。高校生なのに、大変だねぇ。ときには休んで、リフレッシュするんだよ。僕が遊んであげるから。」
「結構です。では、仕事に行きます。」
「んん~!可愛くないなあ。もうちょっと可愛げがあれば、絶対モテモテだと思うんだけどなあ。例えばさ、さっきも、じゃあ今週末開いてますか?とか、聞い…」
バタン!
と、ドアを閉めた。
あれを最後まで聞いていたら、日の出が来てしまう。
本当に気持ちが悪い。考えるだけで身震いがする。
完全に「セクハラ」というやつだ。
「花恋ちゃーん!私、仮眠とるから、レジよろしく!」
「はい、分かりました!お客さま、こちらのレジへどうぞー!」
そうして、日の出がやってきた。
仮眠はとったけど、やっぱり眠気がする。
和花先輩は、ケロリとした様子だ。
「花恋ちゃん、お疲れさま!1人暮らし作戦はどんな感じ?」
1人暮らし作戦、とは、コンビニでお金を貯めて、あの母親から逃げて1人暮らしを始める、という作戦だ。
このことは、和花先輩だけに言っている。
「順調っちゃ順調ですけど、やっぱり部屋を買うお金だけじゃないので、まだまだですかね。」
「そっかあ、そうだよね。高校の授業料も高いんでしょ?」
「そうなんですよ。」
「まあ、頑張れ!私は、ずっーーーーと、花恋ちゃんの味方だから。」
「ふふっ。ありがとうございます。そう言ってくれる人がいるだけで嬉しいです。」
「じゃあね!また明日!」
「さようなら!」