お姫さまは、4人の義弟の愛に翻弄される

和花先輩と別れて、商店街をトボトボと歩く。
このあと、学校か…。
その前に、朝ごはんも作らないといけないんだ。

できるだけ物音を立てないようにして、家に入る。お母さんはまだ寝ているようで、部屋からいびきが聞こえた。

軽くシャワーを浴びて、髪と体を洗い、軽くしておいたメイクも落とす。
ドライヤーを終えて廊下に出ると、お母さんが部屋から出てきた。

「あらぁ？朝風呂？美容にも熱心ねぇ。朝ごはんよろしくね。」
「はい。」
一言だけそう返して、台所に立つ。
いつものことだけど、何だか今日は、自分がとてもみじめに思えた。
だって、お母さんに言い返すこともできないクセに、こうやってお母さんに腹をたてている。

私って、何のために生きているんだろう？
ふと、そんな疑問が頭に浮かんだが、すぐに取り払った。

そんなことを考える前に、目の前のことだ。
「目玉焼きと、トーストと…。」