先輩と、コーヒーと
それから1ヶ月ほどが経った、ある日の放課後。
私は、勉強してから帰ろうと学校の図書室に向かったのだが……。
「うわ、混んでるなぁ」
学校では10日後に2学期の中間テストを控えているからか、図書室はめちゃくちゃ混んでいた。
席はどこも生徒で埋まっていたため、私は諦めてすぐに図書室を出て昇降口へと向かう。
どうしよう。今日は、このまま真っ直ぐ家に帰ろうかな……あっ、そうだ。
久しぶりに、ホワイト・カフェに行こうかな。
初めて行って以来、何だかんだ色々あって行けてなかったから。
琉星先輩の淹れるコーヒーが、久しぶりに飲みたい。
上履きからローファーに履き替えて校門を出ると、私の足は迷うことなく駅とは反対方向へと向いていた。