先輩と、コーヒーと


それから1ヶ月ほどが経った、ある日の放課後。


私は、勉強してから帰ろうと学校の図書室に向かったのだが……。


「うわ、混んでるなぁ」


学校では10日後に2学期の中間テストを控えているからか、図書室はめちゃくちゃ混んでいた。


席はどこも生徒で埋まっていたため、私は諦めてすぐに図書室を出て昇降口へと向かう。


どうしよう。今日は、このまま真っ直ぐ家に帰ろうかな……あっ、そうだ。


久しぶりに、ホワイト・カフェに行こうかな。


初めて行って以来、何だかんだ色々あって行けてなかったから。


琉星先輩の淹れるコーヒーが、久しぶりに飲みたい。


上履きからローファーに履き替えて校門を出ると、私の足は迷うことなく駅とは反対方向へと向いていた。

< 10 / 32 >

この作品をシェア

pagetop