先輩と、コーヒーと
3rd
あの日のショックが思いのほか大きかったのか、私はあれ以来ホワイト・カフェに行くことができずにいた。
それから軽く1ヶ月が経過し、気づけば12月。
高校は、2学期の期末テスト期間に突入。
私は余計なことは考えないようにと、今まで以上に勉強に励んだ。
期末テスト初日。午前中で学校が終わったこの日も図書室でテスト勉強をしてから帰ろうと、私は図書室に向かった。
すると、廊下の反対方向からよく見知った人が歩いてきた。
う、うそ。琉星先輩……!?
先輩とは学年が違うから、今まで学校で顔を合わすことはほとんどなかったのに。
どうして今に限って……。
こちらが一方的に気まずく感じているからといって、黙って通り過ぎるのもどうかなと思った私は、先輩に軽く頭を下げて通り過ぎようとしたのだけれど。
「っ……!?」
前に進めない。
私は、琉星先輩に腕を掴まれていた。