先輩と、コーヒーと


先輩には理帆さんがいるから、告白して振られたら……そう思うと怖い。


だけど……ここまで来たら、もう後先なんて考えずに当たって砕けろ私。


先輩に気持ちを伝えずに後悔するよりも、告白して振られて後悔するほうがずっといい。


私は先輩のほうに向き直り、真っ直ぐ彼を見つめる。


「あの、私……先輩がオーストラリアに引っ越すって聞いて。どうしても、伝えたいことがあって……」

「伝えたいこと?」


先輩にじっと見られ、バクバクと鼓動が速まる。


「わ、私……琉星先輩のことが好きです!」

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