傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜
15
グレッグ様と共に三日月亭に戻ると、怪我をしている私を見て、ルイーザさんは動揺していた。
「ソフィア。一体何があったんだい。
あんたは、確か…
おや、ハモンド家のグレッグ様ではないですか
こちらへどうぞお座り下さい」
グレッグ様は勧められた椅子に腰をおろす。
私はキッチンに向かうとお茶を淹れてくると、グレッグ様の前のテーブルの上にそっと置いた
グレッグ様は詳細は伏せて説明してくれた。
トラブルに巻き込まれて怪我をした所を、治安部隊で保護したと。
ダンさんも慌てて奥から出て来て大丈夫なのかと声をかけてくれる
しばらく安静にするようにと言い残してグレッグ様は去って行った
ルイーザさん達からとにかくしばらく休むようにと言われた。
「本当にご心配をおかけしました」
「ソフィア、災難だったね痛かっただろうに、」
ルイーザさんにぎゅっと抱きしめられた
「どこのどいつだうちのソフィアに!」
二人の優しさが嬉しい。これ以上心配をかけるわけにはいかないので、部屋で休ませてもらうことにした
部屋のベッドに腰掛ける。
まさかあんな所で義姉と遭遇するなんて思わなかった。
しばらくはあまり出歩かないようにしよう。
ふとポケットにグレッグ様からお借りしたハンカチを入れたままなことを思い出した。
『いけない。洗わないと』
綺麗に洗濯してから、グレッグ様にお返しに行こう。怪我が治るまでは、しばらく安静に過ごそう
それから2週間後。
鏡を見る。
「うん、もう大丈夫そう」
顔の傷もあまり目立なくなった。
これなら大丈夫。
私はまだ宿のお仕事はお休みさせてもらっている。ダンさんがキッチンを使っていない時間に、私はクッキーを焼くことにした。
三日月亭の名前にちなんで、クッキーの型抜きは三日月型と星型。
グレッグ様が甘いものがお好きかは分からないけど。
ルイーザさんから、グレッグ様は、ハモンド侯爵家の御子息であることを聞いた。
治安部隊は、貴族の方も庶民の方もいるらしい。
『あっ』
いけない。考え事をしていてクッキーを焦がすところだった。
甘い匂いが漂う。いい匂い。
私はクッキーをカゴに詰めると、ハンカチを持って騎士団へと向かった。
義姉に見つかることが怖いので、頭からは髪を隠すようにスカーフを被った。
周囲を警戒しながら、早歩きで向かった。
門の所で、グレッグ様に用がある事を伝えると、しばらく待つように言われた。
スカーフを取り外して待っていると、本舎の中へと案内された。
私は物珍しくて、周囲を見回しながら歩いていた。
ある扉の前で立ち止まると騎士はノックをしていた
「グレッグ殿、お客様をお連れしました」
「通せ」
案内してくれた騎士様にお礼を伝える
緊張しながら入室した
「やぁ。ソフィア。」
グレッグ様は執務机に向かい作業していた
書類を隅へ片づけると、立ち上がり私へと近づいてきた。
「あぁ良かった。怪我は治ったようだな。」
ぐっと顔を近づけて、覗きこむ姿勢になられて、頬が紅潮する
顔の怪我の跡を見ているだけだとは分かっているけれど、近すぎる
『おかげさまでこの通りよくなりました』
「それで、今日はどうした?
そこに座るといい。」
私は椅子に腰掛けた。忘れないうちにハンカチをお渡しする。
『グレッグ様、先日お借りしたものです。ありがとうございました』
「あぁ、それをわざわざ持ってきてくれたのか。 別に良かったのに」
グレッグ様はハンカチを受け取ると向かいの椅子に腰掛ける。
『いえ、大切なものかもしれませんし、お返ししたくて。それと、あの、その…もし良かったら…お口に合うか分かりませんが、こちらをどうぞ』
私はクッキーの入ったカゴをテーブルの上に差し出す。
「これは?」
グレッグ様はカゴの中を確認していた。
「ソフィアが焼いたのか?」
『はい。』
グレッグ様は一口クッキーをかじる
「おいしい。優しい味がする」
柔和な笑みを浮かべるグレッグ様にドキっとした。
この胸の高鳴りはなんなんだろう
「これは三日月型なのだな。ソフィアも良ければ一緒に食べないか?お茶を淹れよう」
グレッグ様が立ち上がった。慌てて
『私がお淹れします』
と申し出たけれど、そのまま座っていていいと言われた。
三日月型と気づいてくれてなんだか嬉しい。
グレッグ様手水からお茶を淹れてくれた
私もクッキーを一口食べる
サクサクとして我ながら美味しいと思う
『お茶をありがとうございます。
いただきます』
喜んでもらえたようでとても嬉しかった
とりとめのない話をしながら、和やかな時を過ごした。
一緒に食べるといつもよりクッキーも美味しく感じた
「ソフィア。一体何があったんだい。
あんたは、確か…
おや、ハモンド家のグレッグ様ではないですか
こちらへどうぞお座り下さい」
グレッグ様は勧められた椅子に腰をおろす。
私はキッチンに向かうとお茶を淹れてくると、グレッグ様の前のテーブルの上にそっと置いた
グレッグ様は詳細は伏せて説明してくれた。
トラブルに巻き込まれて怪我をした所を、治安部隊で保護したと。
ダンさんも慌てて奥から出て来て大丈夫なのかと声をかけてくれる
しばらく安静にするようにと言い残してグレッグ様は去って行った
ルイーザさん達からとにかくしばらく休むようにと言われた。
「本当にご心配をおかけしました」
「ソフィア、災難だったね痛かっただろうに、」
ルイーザさんにぎゅっと抱きしめられた
「どこのどいつだうちのソフィアに!」
二人の優しさが嬉しい。これ以上心配をかけるわけにはいかないので、部屋で休ませてもらうことにした
部屋のベッドに腰掛ける。
まさかあんな所で義姉と遭遇するなんて思わなかった。
しばらくはあまり出歩かないようにしよう。
ふとポケットにグレッグ様からお借りしたハンカチを入れたままなことを思い出した。
『いけない。洗わないと』
綺麗に洗濯してから、グレッグ様にお返しに行こう。怪我が治るまでは、しばらく安静に過ごそう
それから2週間後。
鏡を見る。
「うん、もう大丈夫そう」
顔の傷もあまり目立なくなった。
これなら大丈夫。
私はまだ宿のお仕事はお休みさせてもらっている。ダンさんがキッチンを使っていない時間に、私はクッキーを焼くことにした。
三日月亭の名前にちなんで、クッキーの型抜きは三日月型と星型。
グレッグ様が甘いものがお好きかは分からないけど。
ルイーザさんから、グレッグ様は、ハモンド侯爵家の御子息であることを聞いた。
治安部隊は、貴族の方も庶民の方もいるらしい。
『あっ』
いけない。考え事をしていてクッキーを焦がすところだった。
甘い匂いが漂う。いい匂い。
私はクッキーをカゴに詰めると、ハンカチを持って騎士団へと向かった。
義姉に見つかることが怖いので、頭からは髪を隠すようにスカーフを被った。
周囲を警戒しながら、早歩きで向かった。
門の所で、グレッグ様に用がある事を伝えると、しばらく待つように言われた。
スカーフを取り外して待っていると、本舎の中へと案内された。
私は物珍しくて、周囲を見回しながら歩いていた。
ある扉の前で立ち止まると騎士はノックをしていた
「グレッグ殿、お客様をお連れしました」
「通せ」
案内してくれた騎士様にお礼を伝える
緊張しながら入室した
「やぁ。ソフィア。」
グレッグ様は執務机に向かい作業していた
書類を隅へ片づけると、立ち上がり私へと近づいてきた。
「あぁ良かった。怪我は治ったようだな。」
ぐっと顔を近づけて、覗きこむ姿勢になられて、頬が紅潮する
顔の怪我の跡を見ているだけだとは分かっているけれど、近すぎる
『おかげさまでこの通りよくなりました』
「それで、今日はどうした?
そこに座るといい。」
私は椅子に腰掛けた。忘れないうちにハンカチをお渡しする。
『グレッグ様、先日お借りしたものです。ありがとうございました』
「あぁ、それをわざわざ持ってきてくれたのか。 別に良かったのに」
グレッグ様はハンカチを受け取ると向かいの椅子に腰掛ける。
『いえ、大切なものかもしれませんし、お返ししたくて。それと、あの、その…もし良かったら…お口に合うか分かりませんが、こちらをどうぞ』
私はクッキーの入ったカゴをテーブルの上に差し出す。
「これは?」
グレッグ様はカゴの中を確認していた。
「ソフィアが焼いたのか?」
『はい。』
グレッグ様は一口クッキーをかじる
「おいしい。優しい味がする」
柔和な笑みを浮かべるグレッグ様にドキっとした。
この胸の高鳴りはなんなんだろう
「これは三日月型なのだな。ソフィアも良ければ一緒に食べないか?お茶を淹れよう」
グレッグ様が立ち上がった。慌てて
『私がお淹れします』
と申し出たけれど、そのまま座っていていいと言われた。
三日月型と気づいてくれてなんだか嬉しい。
グレッグ様手水からお茶を淹れてくれた
私もクッキーを一口食べる
サクサクとして我ながら美味しいと思う
『お茶をありがとうございます。
いただきます』
喜んでもらえたようでとても嬉しかった
とりとめのない話をしながら、和やかな時を過ごした。
一緒に食べるといつもよりクッキーも美味しく感じた