傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜
20
グレッグ様とはあれから毎週のように、一緒に護衛という名目のお出かけをしている。 最近では三日月亭にご飯を食べに来られたり、頻繁に顔を合わせるようになった。
あの手袋をしてくださっているのを見た時はとても嬉しかった。
なぜ私なんかを気にかけてくれるのかは分からないけど、深く考えないようにしている。
そして今日は週に一度のグレッグ様とのお出かけの日。
「ソフィア、行こうか。」
『はい。今日もお願いします。』
私達は街中へと歩き出す。
「ソフィア、先日は手袋をありがとう。」
『いえ』
「暖かくて気に入っている。その、良ければ、手袋のお礼をさせてくれないか?」
『えぇっ?そもそもあれは、私のお礼の気持ちですし。お礼だなんて』
「ソフィア…では言い方を変えよう。
私のお願いを聞いてくれないか?」
『お願いですか?』
「あぁ。私は、その、20になるのだが、周りがそろそろ結婚をとうるさくてな。
そもそも隊員は職業柄、適齢期過ぎても独身が多い。私もまだ結婚するつもりはない。
ただ私は兄達とは15も歳が離れているからか、独身が私だけだからか、母がうるさくてな。
私が女性と一緒にいることがないので心配らしく、候補者リストが大量に送られてくるのだ。」
『ふふ。大変そうですね』
「それで、私が誰か女性を連れて行けば少しは安心するのではないかと思い、良ければその役目をソフィア、引き受けてもらえないだろうか?」
『ええっ?私がですか?
そんな、私なんか…グレッグ様とは釣り合いませんし…そもそも身分が…』
「私は家を出て別邸に住んでいるし、隊に所属してるので身分など関係ない。
ソフィアは…その、だれか心に決めた方がいるのだろうか?」
グレッグ様が真っ直ぐに見つめて尋ねる
『いえ。そういう方は…』
「ソフィアの名誉を傷つけることはしない。私が親しくしている女性として、母に紹介してもいいだろうか?」
何の身分もない私なんかでお役に立てるとは思えないけど…。 それでも、グレッグ様と親しい女性と言われるのは嬉しい。
うーん。一緒に行くだけなら…。
『その…私では力不足かと思いますが、私で良ければ』
グレッグ様は満面の笑みを浮かべた。
「引き受けてくれるか。ありがとう。
ならばお礼をしなければな。」
『え?いえお礼だなんて。そもそもまだ何もしてませんし』
「ちょうど母にお茶会に誘われてたのだ。突然で悪いが一緒に来て欲しい。
お礼として、良ければその時に着ていく洋服を贈らせて欲しい。」
『えっと… 』
グレッグ様のお母様は侯爵家の方。洋服はルイーザさんの娘さんの服を着回しているので、確かに着ていく服がないかもしれない。
『で、ではお言葉に甘えてもいいのでしょうか』
私はグレッグ様に貴族街へと連れて行かれた。お店の方に色々とサイズを測ってもらい、必要な手続きは全てグレッグ様が行ってくれた。
店内に置いてあるドレスやワンピースはどれも綺麗で、街中に置いてあるものとは光沢が違った。店内の装飾も高級感があり、私はどうしても落ち着かず、グレッグ様が手続きが終わるまで外で待つことにした。
あの手袋をしてくださっているのを見た時はとても嬉しかった。
なぜ私なんかを気にかけてくれるのかは分からないけど、深く考えないようにしている。
そして今日は週に一度のグレッグ様とのお出かけの日。
「ソフィア、行こうか。」
『はい。今日もお願いします。』
私達は街中へと歩き出す。
「ソフィア、先日は手袋をありがとう。」
『いえ』
「暖かくて気に入っている。その、良ければ、手袋のお礼をさせてくれないか?」
『えぇっ?そもそもあれは、私のお礼の気持ちですし。お礼だなんて』
「ソフィア…では言い方を変えよう。
私のお願いを聞いてくれないか?」
『お願いですか?』
「あぁ。私は、その、20になるのだが、周りがそろそろ結婚をとうるさくてな。
そもそも隊員は職業柄、適齢期過ぎても独身が多い。私もまだ結婚するつもりはない。
ただ私は兄達とは15も歳が離れているからか、独身が私だけだからか、母がうるさくてな。
私が女性と一緒にいることがないので心配らしく、候補者リストが大量に送られてくるのだ。」
『ふふ。大変そうですね』
「それで、私が誰か女性を連れて行けば少しは安心するのではないかと思い、良ければその役目をソフィア、引き受けてもらえないだろうか?」
『ええっ?私がですか?
そんな、私なんか…グレッグ様とは釣り合いませんし…そもそも身分が…』
「私は家を出て別邸に住んでいるし、隊に所属してるので身分など関係ない。
ソフィアは…その、だれか心に決めた方がいるのだろうか?」
グレッグ様が真っ直ぐに見つめて尋ねる
『いえ。そういう方は…』
「ソフィアの名誉を傷つけることはしない。私が親しくしている女性として、母に紹介してもいいだろうか?」
何の身分もない私なんかでお役に立てるとは思えないけど…。 それでも、グレッグ様と親しい女性と言われるのは嬉しい。
うーん。一緒に行くだけなら…。
『その…私では力不足かと思いますが、私で良ければ』
グレッグ様は満面の笑みを浮かべた。
「引き受けてくれるか。ありがとう。
ならばお礼をしなければな。」
『え?いえお礼だなんて。そもそもまだ何もしてませんし』
「ちょうど母にお茶会に誘われてたのだ。突然で悪いが一緒に来て欲しい。
お礼として、良ければその時に着ていく洋服を贈らせて欲しい。」
『えっと… 』
グレッグ様のお母様は侯爵家の方。洋服はルイーザさんの娘さんの服を着回しているので、確かに着ていく服がないかもしれない。
『で、ではお言葉に甘えてもいいのでしょうか』
私はグレッグ様に貴族街へと連れて行かれた。お店の方に色々とサイズを測ってもらい、必要な手続きは全てグレッグ様が行ってくれた。
店内に置いてあるドレスやワンピースはどれも綺麗で、街中に置いてあるものとは光沢が違った。店内の装飾も高級感があり、私はどうしても落ち着かず、グレッグ様が手続きが終わるまで外で待つことにした。