傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜

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「グレッグ様、キースさん、良ければどうぞ。」

ソフィアは作っていたポトフを温めて人数分持ってきていた。テーブルの上に並べると、カゴに入った三日月亭のパンも中央に置く。

「おいしそう!俺もいいんすか?嬉しいっす」

「これは、もしかしてソフィアが?」

「はい!ルイーザさんに教わったレシピで作りました。まだお客様には提供したことはないんですけど。
いつかグレッグ様に食べて欲しいと思っていて…お口に合うといいのですが。」


「私のために…ありがとう」

グレッグはお礼を言いながら隣に座るソフィアの手を取り握りしめる。

ソフィアは戸惑いながらも、その手を握り返す。
完全に二人だけの世界に入っていた

「あのー、いちゃつくのは構わないんすけど、俺の存在忘れてません?」

「キース、まだいたのか、さっさと帰れ」

「えー、じゃあ手紙の件をですね」

「す、すみません、キースさん。おかわりもありますのでどうぞ。手紙?」

ソフィアは慌てて手を放すと、キースにパンを取り分ける


グレッグはソフィアの温もりのなくなった自身の手を見つめたのちに、並べられた料理に視線を戻す



「ソフィア、その件は後で話そう。先にいただこう。ありがとう」

「はい、グレッグ様」

「あー、なんか俺も彼女欲しいっす」


食事を終えると、ソフィアは二人に紅茶を用意した。

一息ついた後にグレッグがおもむろに手紙を取り出し机の上に並べる


「ソフィア、今日ここへ来たのは、この手
紙を渡すためだ。
できれば……その、良ければなのだが、中
を一緒に改めさせてほしい。

これは元ノーマン邸に、ソフィア宛に届いていたものだ。
差出人の記載はない。
先日捕らえた侍女に尋ねたところ、以前も届いていたらしい。
アンジェリカ嬢が一度だけ読んだ後、その後は読まずに全て捨てていたそうだ。
ソフィア宛の物を勝手に処分するなど、非道極まりない」

「えー、それ先輩が言えることですか?」

「黙れ、キース」

グレッグは自分も手紙を破り捨てていたことに関しては、素知らぬ顔だった。

ソフィアは驚き戸惑いを隠せないでいた。

「私宛に手紙ですか?恥ずかしながら、知り合いもいませんし…何かの間違いでは…」

ソフィアは手紙を取り上げて裏を確認する。ペーパーナイフを取ってくると、全ての手紙を開封する。

中の手紙を取り出すと、二人に見えるように机の上に並べて置いた。

「誰からかも分かりませんし、一人で見る勇気がないので、一緒に見てもらえますか。手紙は1枚だけ入っているみたいです」


三人は机に並べられた手紙を覗きこんだ












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