傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜
あの男がいるであろう部屋へとアンジェリカは急いだ

ノックをした後に勢いよく扉を開ける


「ねぇ!ちょっと、あの女を思いっきり苦しめてやりたいの!何かいい方法を教えてくれない」


アンジェリカは男に問いかけた

「どうした、そんなに慌てて」

「いいから、早く、鞭なんかでなくて、もっと痛めつける方法を教えなさい!
あ、でも刃物は嫌よ、
できれば、あまり近づきたくないの」

「それなら、雇った男どもに任せたらいいではないか」

「イヤよ‼︎ それでは気が済まないわ
あの女にはこの手できっちりと復讐をしたいから」


「まぁ、色々とやりようがあるのではないか?  火あぶり、ギロチン、両手両足を縄で縛り引っ張るとかもしくは毒…いやどれも死んでしまうな、
私とて殺して欲しいわけではない。


ソフィアがお前に痛ぶられるのを見ることが、あの男にとっての最大の苦痛となるだろう


そのために、こうして危険を犯してまでお前に任せたのだよ

そうだな、水責めなどがいいのではないか?

お前好みの痛ぶり方だろう?」

「水ね……いいわね、とっても魅力的ね
あぁ、でも、側に男がいると気が散るわ、あの女だけ引き離して欲しいのだけど」

「あぁ、私も彼に大事な話があるんだ。存分に痛めつけるといいさ、その苦しんでいる姿をあの男に見せたいからな、さてと、行こうか」


男とアンジェリカは揃って部屋を出た

アンジェリカが一人で先に進もうとしたところを男が呼び止める

「どこへ行く? 牢屋はこっちだろう迷ったのか?」

「牢屋?」

「あぁ、あいつらに牢屋に閉じ込めさせている、行くぞ」


アンジェリカは慌てて男の後を追いかけて行く


なるほどね、牢屋に移動させるなんてこの男も仕事が早いじゃない

もう少し若ければ、相手にしてあげなくもなかったのに

それにしても、牢屋なんて初めて行くわ

ふふふふ、ソフィア、今度こそあなたに思い知らせてやるわ!

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