傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜
7ジャックside
ジャックは、ソフィア達から逃げるように一人で先程の声のした方向へと向かっていた
(あの声は……もしかしたら…)
誰もいない空間に自分の足音が響く
相手に気づかれるのを警戒して、速度を落として足音をたてないよう早歩きで進む
(やっぱり‼︎ あの方だったのか……)
数メートル先に男女の姿を視界に捉えた
ジャックは脇道へとサッと身を隠し、息を殺して聞き耳を立てた
ペタペタペタと足音がこちらへと近づいてくる
(気づかれたか……)
壁際にぴったりとくっついて、相手が直前まで近づくのを待った
武器が何もないが、渾身の力をこめて不意打ちを喰らわせられれば、時間稼ぎができると思う
二人相手で分が悪いが、
この薄暗い中ならば、逃げることはできると思う
ソフィア達から引き離さなければ……
(……来る)
ドクンドクンドクンと鼓動の音が高鳴るのとは反対に、足音は遠ざかって行く
(通りすぎたのか……?)
壁づたいにそろりと移動して、壁際から顔だけを動かして様子を窺う
自分が来た方向へと、進んで行く女性の後ろ姿が見えた
(そっちにはソフィア達が…)
引き留めるべく追いかけようと足をうごかした時だった
「どこへ行く? ジャック。 そっちではない、話がある。 大事な話がな。お前の大切なソフィアに関することだ。さぁ、こっちへ 」
背後から男に声をかけられて、萎縮する
「……ソフィアのですか?……こんな
所にどうしてあなた様が……?」
「色々と気になることがあるだろう?
ククク、こっちだ」
有無を言わせぬ物言いに、ジャックは逆らえなかった
自分のような平民の命など、この方の一存で簡単に消されてしまうだろう
無礼を働いたと、罪を着せられても汚名を晴らす術がない
何よりもソフィアを巻き込む可能性がある
この方に、ソフィアのことも話すんじゃなかった……
先程の仲間と思われる女性のことが気になったが、ソフィアの側にはキースさんがいる。
彼がきっとソフィアを守ってくれるだろう
ジャックは渋々、男の後を追った
(あの声は……もしかしたら…)
誰もいない空間に自分の足音が響く
相手に気づかれるのを警戒して、速度を落として足音をたてないよう早歩きで進む
(やっぱり‼︎ あの方だったのか……)
数メートル先に男女の姿を視界に捉えた
ジャックは脇道へとサッと身を隠し、息を殺して聞き耳を立てた
ペタペタペタと足音がこちらへと近づいてくる
(気づかれたか……)
壁際にぴったりとくっついて、相手が直前まで近づくのを待った
武器が何もないが、渾身の力をこめて不意打ちを喰らわせられれば、時間稼ぎができると思う
二人相手で分が悪いが、
この薄暗い中ならば、逃げることはできると思う
ソフィア達から引き離さなければ……
(……来る)
ドクンドクンドクンと鼓動の音が高鳴るのとは反対に、足音は遠ざかって行く
(通りすぎたのか……?)
壁づたいにそろりと移動して、壁際から顔だけを動かして様子を窺う
自分が来た方向へと、進んで行く女性の後ろ姿が見えた
(そっちにはソフィア達が…)
引き留めるべく追いかけようと足をうごかした時だった
「どこへ行く? ジャック。 そっちではない、話がある。 大事な話がな。お前の大切なソフィアに関することだ。さぁ、こっちへ 」
背後から男に声をかけられて、萎縮する
「……ソフィアのですか?……こんな
所にどうしてあなた様が……?」
「色々と気になることがあるだろう?
ククク、こっちだ」
有無を言わせぬ物言いに、ジャックは逆らえなかった
自分のような平民の命など、この方の一存で簡単に消されてしまうだろう
無礼を働いたと、罪を着せられても汚名を晴らす術がない
何よりもソフィアを巻き込む可能性がある
この方に、ソフィアのことも話すんじゃなかった……
先程の仲間と思われる女性のことが気になったが、ソフィアの側にはキースさんがいる。
彼がきっとソフィアを守ってくれるだろう
ジャックは渋々、男の後を追った