国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
彼女はユーキス国の第一王女。

彼女は私が身分を明かして……マリス国第二王子だと知ったらどんな顔をするだろう。

それでも、もう覚悟は決まった。

馬術大会で彼女が練習に励んでいる間に、私は父である王にある許可を取りに行った。

王は一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐに許可を下ろした。

何も不利益がなかったのだろう。

だから、私はいま筆にインクをつけて机に向かっている。






「マリーナ・サータディア第一王女、貴方に婚約を申し込みたい」






この手紙がマリーナに届くのは、きっともうすぐだから。

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