国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
頭が整理出来ない感覚がするのに、どこか冷静さが戻り始めている自分が怖かった。
それでも、この機会を逃せば、もう私がフリクと話せることはないだろう。
「フリク、貴方はまだ私のことを恨んでいるのですか?」
「恨んでないよ。本当に」
ゆっくり消えていくフリクの姿と合わせて、声も小さくなっていく。
「マリーナ、ごめんね。君を国一番の大悪女にしたのは俺だ」
それだけ言って、フリクの姿がもう見えなくなっていく。
「待って下さい!」
私の大きな声でフリクが消えて行くのが一瞬止まった気がした。
「貴方が何を言おうと、私を大悪女にしたのはフリクではない。フリクの手を取ると決めたのは私です」
「それに私は国一番の悪女で終わるつもりはない。国一番の最高な王女になりますわ」
「これで会うのが最後でも構いません。それでも、どこかで見ていて下さい。私と取引をしたフリクには、私がどんな王女になるのか見守る義務がありますわ」
私の精一杯の勇気はフリクに届いただろうか。
それでも、最後にフリクの声がもう一度聞こえた気がした。
「マリーナ、幸せになって」
言葉に出来ない気持ちが溢れてくるのに、どうすることも出来なくて。
それでも、もう振り返ることもしない。
前に進んでいくしかない。
だって、きっとフリクもどこかで見守っているから。
それでも、この機会を逃せば、もう私がフリクと話せることはないだろう。
「フリク、貴方はまだ私のことを恨んでいるのですか?」
「恨んでないよ。本当に」
ゆっくり消えていくフリクの姿と合わせて、声も小さくなっていく。
「マリーナ、ごめんね。君を国一番の大悪女にしたのは俺だ」
それだけ言って、フリクの姿がもう見えなくなっていく。
「待って下さい!」
私の大きな声でフリクが消えて行くのが一瞬止まった気がした。
「貴方が何を言おうと、私を大悪女にしたのはフリクではない。フリクの手を取ると決めたのは私です」
「それに私は国一番の悪女で終わるつもりはない。国一番の最高な王女になりますわ」
「これで会うのが最後でも構いません。それでも、どこかで見ていて下さい。私と取引をしたフリクには、私がどんな王女になるのか見守る義務がありますわ」
私の精一杯の勇気はフリクに届いただろうか。
それでも、最後にフリクの声がもう一度聞こえた気がした。
「マリーナ、幸せになって」
言葉に出来ない気持ちが溢れてくるのに、どうすることも出来なくて。
それでも、もう振り返ることもしない。
前に進んでいくしかない。
だって、きっとフリクもどこかで見守っているから。