国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます

パーティー当日

カートル公爵家が主催する婚約記念パーティーまでの日々はあっという間だった。

パーティー当日、私は馬車で会場に向かいながら今回のパーティーのことを考えていた。

学園では社交も大切にしている。

今回のパーティーは公爵令嬢と侯爵子息の婚約であるので、学園からも多くの生徒が参加していた。

しかし、今回クロルはサート伯爵家の次男として招待状を貰っているので、私の側にいることは出来ない。

つまり……味方が一人も側にいない場所に向かうのだ。

私は会場に着いた馬車の中からすぐに降りることが出来なかった。

馬車で向かいに座っていたリーリルが心配そうに私の顔を覗き込んでいる。