国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
「マリーナ様、そのドレスはどうされたのですか?」
「クラヴィスが用意してくれていたの」
クロルの視線がドレスから外れない。
「クロル? もしかして、あまり似合ってないかしら……? 折角素敵なドレスを用意して頂けたのに、着こなせている自信がなくて」
「いえ、とても良く似合っております。本当に」
クロルはドレスから視線を上げて、私と目を合わせる。
「パーティーが終わるまで、マリーナ様のお側にいることの許可を」
「クロル、貴方は今回サート伯爵家として招待されていて……」
「私はマリーナ様の護衛騎士です。マリーナ様のお側にいても何もおかしくないはずです」
きっとクロルがそう述べてくれるほどに私は心配をかけてしまったのだろう。
「では、お願いするわ。ありがとう、クロル」
パーティーはもう終わりに近づいていた。
しかし、短い間とはいえ、クロルはパーティーが終わるまでずっと側にいてくれていた。
私を守ってくれていた。
会場の窓からは闇夜に輝く美しい月が見えている。
満月ではないのに、いつもより輝いて見えるのは何故だろう。
その日の美しい三日月をきっと私は忘れない気がした。
「クラヴィスが用意してくれていたの」
クロルの視線がドレスから外れない。
「クロル? もしかして、あまり似合ってないかしら……? 折角素敵なドレスを用意して頂けたのに、着こなせている自信がなくて」
「いえ、とても良く似合っております。本当に」
クロルはドレスから視線を上げて、私と目を合わせる。
「パーティーが終わるまで、マリーナ様のお側にいることの許可を」
「クロル、貴方は今回サート伯爵家として招待されていて……」
「私はマリーナ様の護衛騎士です。マリーナ様のお側にいても何もおかしくないはずです」
きっとクロルがそう述べてくれるほどに私は心配をかけてしまったのだろう。
「では、お願いするわ。ありがとう、クロル」
パーティーはもう終わりに近づいていた。
しかし、短い間とはいえ、クロルはパーティーが終わるまでずっと側にいてくれていた。
私を守ってくれていた。
会場の窓からは闇夜に輝く美しい月が見えている。
満月ではないのに、いつもより輝いて見えるのは何故だろう。
その日の美しい三日月をきっと私は忘れない気がした。