国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
「参加しますわ。それに参加するなら、優勝する」



私がそう答えると、クラヴィスは優しく微笑んだ。

「では、私も協力する。これでも、馬術は得意だからね」

「良いのですか? クラヴィスも忙しいのでは……」



「それくらいの時間はあるから、気にしなくていい。それに、君と過ごす時間は案外心地良いみたいだ」




クラヴィスはいつも当たり前のように心臓に悪い言葉を仰って、当たり前のように私を助けてくれる。

そのことにとても感謝しているからこそ、クラヴィスの期待に応えたいと思えるのだ。
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