国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
言い切れない言葉
参加を決めた翌日から、私はすぐに馬術大会に向けて練習を始めた。

以前、馬術を習ったことはあったが、久しぶりなこともあり私は緊張していた。

クラヴィスは始めから練習に付き合うと言ってくれたが、私はある程度の段階までは自分で頑張りたかったのでまだ練習には参加して貰っていない。

今回の大会は、コースに設置されたハードルのような障害物を飛び越えていく。

そして、そのスピードを競うのだ。

しかし、すぐにハードルを飛び越える練習をするわけにはいかない。

まずは、騎乗に慣れることから始めないと。

練習を始めてみると、思ったよりもブランクは感じなかったが、優勝を目指すとすれば話は別だった。



「マリーナ様、そろそろ休憩なさった方が……」



クロルにそう声をかけられて、時間が思ったよりも経っていたことに気づいた。
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