国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
クラヴィスの馬術の技術は、正直軽く優勝出来てしまうようなレベルだった。

練習の合間の休憩中に私はクラヴィスの隣に座った。

「クラヴィスがこの大会に出ないということが、一番の私にとっての有利な事柄ですわ……」

「だから言っただろう? 味方になった私は、案外役に立つと」

クラヴィスが冗談めかして、そう述べた。

それでも、いつもクラヴィスに助けられているのは事実で。



「ええ。本当にクラヴィスには感謝しかありませんわ。クラヴィスが味方で良かったと心から思っているのです」



「っ!」



クラヴィスが私と目を合わせようとしない。
< 68 / 127 >

この作品をシェア

pagetop