国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
それでも、顔を上げれば美しい夕陽が広がっていた。

「綺麗ですね」

「そうだな。ユーキス国は自然が豊かな国だから、夕陽も映える」

「あの、クラヴィス。マリス国はどんな場所なのですか? 私、まだ行ったことがなくて……」

「美しい国だ。独自の建設技術が発展している国だから、ユーキス国とはまた違った美しさがあるだろう」

「ふふ、行ってみたいですわ」

すると、クラヴィスが馬を止めた。

私がクラヴィスの方を振り返ると、クラヴィスの顔が夕陽に照らされていて、どこか神秘的だった。
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