国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
「いつでも我が国に遊びに来ればいい。君の噂が広がりきっているこの国より居心地が良いかもしれない」



「そうですわね、誰も私を悪女と呼ばない場所も魅力的ですわ。それでも……私は、この国の王女であることに誇りを持っていますの」



「悪女と呼ばれ、罵られてもか?」

「この噂は……私がユーキス国の王女として、国を守った証ですの。どれだけ私が国一番の大悪女と呼ばれようと、それだけは変わらない。私は今のこの状況を全く後悔していないのです」

クラヴィスは私の言葉を聞いても、すぐには何も仰らなかった。

しばらくして、少しだけ苦しそうな顔で口を開いた。

「マリーナ……君はどうして国一番の大悪女と呼ばれているんだ? 本来の君は全く違った人物だろう」

「まだ言えませんわ。しかし……」

私はギュッと両手に力を込めて、握り込んでしまう。
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