国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
「お嬢様、もし馬術大会で優勝出来たら、何がしたいですか? 自分へのご褒美を考えておくことも大切ですよ!」
「ご褒美……そうね、まずは馬術を教えてくれたクラヴィスにお礼が言いたいわ」
「では、一緒に街へ出掛けてはいかがですか?」
「え?」
「クラヴィス様と一緒に街へ出掛けて、クラヴィス様へ練習のお礼でプレゼントを送るのもよろしいかなと」
リーリルが私の髪を梳いてくれている手がさらに優しくなったのを感じた。
「きっとクラヴィス様も喜ばれますよ」
「私は屋敷から出られなかったこともあって、街に詳しくないわ。それに私は国一番の悪女だから、街の者が驚いてしまうかもしれないわ」
「お嬢様なら大丈夫ですよ。それに平民でお嬢様の顔を知るものはいません。不安ならフードのある服を着ることだって出来ます」
リーリルは穏やかな笑顔を私に向けてくれる。
「お嬢様が笑顔で街を歩いて過ごすことを私は……いや、お嬢様の人柄を知っている者はきっと皆望んでくれるはずです」
「リーリル……」
「お嬢様が幸せになることを私も心の底から願っているのです。どうかご自身のやりたいことを事実とは違う噂などで諦めないで下さいませ」
リーリルはいつも優しくて、それでいて私に勇気をくれるのだ。
「ご褒美……そうね、まずは馬術を教えてくれたクラヴィスにお礼が言いたいわ」
「では、一緒に街へ出掛けてはいかがですか?」
「え?」
「クラヴィス様と一緒に街へ出掛けて、クラヴィス様へ練習のお礼でプレゼントを送るのもよろしいかなと」
リーリルが私の髪を梳いてくれている手がさらに優しくなったのを感じた。
「きっとクラヴィス様も喜ばれますよ」
「私は屋敷から出られなかったこともあって、街に詳しくないわ。それに私は国一番の悪女だから、街の者が驚いてしまうかもしれないわ」
「お嬢様なら大丈夫ですよ。それに平民でお嬢様の顔を知るものはいません。不安ならフードのある服を着ることだって出来ます」
リーリルは穏やかな笑顔を私に向けてくれる。
「お嬢様が笑顔で街を歩いて過ごすことを私は……いや、お嬢様の人柄を知っている者はきっと皆望んでくれるはずです」
「リーリル……」
「お嬢様が幸せになることを私も心の底から願っているのです。どうかご自身のやりたいことを事実とは違う噂などで諦めないで下さいませ」
リーリルはいつも優しくて、それでいて私に勇気をくれるのだ。