国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
クラヴィスが私を抱きしめたまま、言葉を(つむ)いでいく。


「ねぇ、マリーナ。君は安心して優勝すれば良い。君が誰かに嫌な言葉を吐かれた時は……その分、私が君を甘やかそう」


クラヴィスはいつだって優しくて、私が涙が出るほど嬉しい言葉を簡単にくれるのだ。



「君が度胸があるフリが上手いだけでも、強がりでも……私は君が大好きなんだ。君の力になりたいと心から思っている」



クラヴィスの言葉に顔が熱くなっていくのが分かった。

クラヴィスの言葉に他意はないことは分かっている。

きっと私を友人をして大切にしてくれているのだろう。


それなのに……


「マリーナ、大丈夫だから。どうか私に君を守らせて」


クラヴィスが私を抱きしめる腕を緩め、私と目を合わせる。

クラヴィスの顔に少しだけ赤くなっているように感じた。

その表情を見ると、さらに心臓が速なった。
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