国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます
それでも、それは当たり前に心配からくるもので、結局はいつも甘くて。

どこか安心した表情で最後にこう言うのだ。





「お怪我がなくて、本当に良かった」





それでも、いつもと違うことが一つだけあって。

何故かクロルの手がそっと私の顔に伸びてきた。

丁度、私の頬に触れようとした瞬間……





「何をしている」





クラヴィスが私を後ろから抱きしめるように、クロルから距離を取らせた。
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