歌姫の歌声
窓から見えるグラウンドからは楽しそうな声が響いていた

1日は長いようで案外短く、もう夜中になっていた

私の家の前には今日もたくさんの人たちがいる

学生も、社会人も、たくさんの人が、私の歌を聴くためだけに来てくれた

11時の2時間ほど前からいる人もいた

その事実に私は歓喜に震えた

私がベランダに出ると、たくさんの歓声が聞こえた

見知った顔もあり、部活の先輩も、中学校の先生も、お隣さんだっていた

私の顔は闇夜で見えなくなる

今日も私は歌い続ける

大好きな音楽と共に

そんな生活も、本当はもう終わる

私には寿命がある

あと1年生きていられるかどうかだ

余命の数日前に、辞めると、みんなに言うつもりだ

それまで私は歌い続けよう

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