あなたは見られている
「本条さん」
ふいにそう名前を呼ばれて、振り返る。
わたくしが振り返ると、そこそこカッコイイ、そんな感じの男の子がわたくしを見つめていた。
「・・どなたかしら?」
私がそう微笑みながら言うと、途端に彼は顔を真っ赤になさったわ。
あら?
「俺・・本条さん、あなたが、好きです!」
彼は大きな声で私にそう告げた。
ああ。
そういうこと・・でしたのね。
今日二回目の告白ですわ。
「・・・ごめんなさい。あなたとは、付き合えませんわ。」
そう言って、私は足速にその美しい学校の ”庭”を通り過ぎて・・
教室へと戻りましたわ。