呪われた辺境伯と視える?夫人〜嫁いですぐに襲われて離縁を言い渡されました〜
10
メリッサ様がいなくなってから、開かずの部屋となっていた部屋の鍵を開ける。
皆が緊張しているのが分かる。
何か起こるかもしれないと、恐る恐る扉を開ける。
本当にここにメリッサ様がいるのかしら…
「開けるぞ」
「勿体ぶらずに旦那さまお早く」
一ガチャッ一
最初に入室したのは旦那様、つづいてマクス、そして私。
室内は掃除されていないのに、埃っぽくもなく綺麗だった。
コトッ
突然書き物机から何かが落ちる
皆が一斉にそちらに気を取られて何が落ちたのか確認しようとした時だった。
私達だけしかいないはずなのに、どこからか女性が現れ落ちた物を拾い上げる。
「あなたは…」
女性がこちらへと振り向いた。
この方は…
やはりこの女性は先程みかけた女性だ
「メリッサ…」
旦那様が声をかける。
「お二人ともどなたに話しかけておられるのですか?」
マクスは怪訝な顔をしていた。
「こんにちは、お久しぶりと言うべきかしら旦那様と…」
「え、エリーと申します。メリッサ様」
ニコッと微笑む女性。この方がメリッサ様。
緩やかに波打つ金髪の美しい髪に、透き通るような肌、
間近で見ると釘付けになる
美、美少女…だわ
旦那様と並んだら超絶美男美女のカップル
こ、こんな方を蔑ろにしていたの…?
「そう、エリーと言うの。と、マクスだったわね。あぁ、マクスには私のことは視えてないと思うわ。」
「メリッサ!お前のせいで…今までどこにいた!」
「旦那様、眠れなくて苦しんでいるようね?ふふ」
「誰が旦那様だ。お前がいなくなってとっっくに離縁は成立している」
「そう、そうなのね…捜してもくれないのね」
メリッサ様は目線を下におろし悲しみの表情を浮かべてたが、すぐに目線を上げる
「な~にがそうなのねだメリッサ!
お前のせいで私は」
「クリフ!呪いが解けないのは自分のせいでしょ!」
「だいたいお前は昔から…」
「ちょっとクリフ、そちらがあなたの…まぁいいわ。ちょっとこちらのエリーさんとお話ししたいから、とりあえず出てってクリフ!」
メリッサ様がふっと軽く指を弾くと旦那様が部屋の外へ弾き出された。
一ドサッ一
「イテッ、ちょっ待てメリッサ!」
マクスはゆっくりと丁寧に部屋の外へ運ばれた
扉が閉まり施錠の音がする。
「これで、ゆっくりお話しができるなね。怖がらないで。あなたに危害は加えないわ。」
メリッサ様は優雅にソファーに腰掛けると私を手招きした
誘われるように私もソファーに腰掛ける
「あなたが、私の後にクリフ…と結婚したの?」
「次と言いますが、正確には68番目の妻だと…」
「は?」
私は自分の状況とマクスから聞いた旦那様の非道な行いを全てメリッサ様にお話しした。
「な、な、な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
メリッサ様は驚愕して部屋中飛び回る
「なんてことなの!ばかクリフ!
クソクリフ!許せない許せない許せないおんなの敵!!!
どうしてそんな発想になるの!」
「メリッサさま、メリッサ様!
どうか落ち着いてくださいませ」
私は、メリッサさまを宥めようと声をかけた。
メリッサ様は何周か飛び回るとソファーに戻ってきた
改めてメリッサ様をみると、確かに実体がないように見える。
「あの、メリッサ様は、その、幽霊なのでしょうか?」
単刀直入に質問をぶつける。
「あぁ、この姿だとそうみえるわよね。正確には生き霊というのかしら」
「生き霊?
では、メリッサ様は、生きておられるのですか??」
「ふふふ、あなた、エリーと言ったわね。随分落ち着いているわね」
メリッサ様は私の腕をぎゅっと掴む仕草をした。(触れられてはいない)
「あなたは、私とは正反対ね。私はいつもクリフにうるさいとかお喋りだとか言われて…
クリフは落ち着いた女性が好みなのですって。
そうね、いいことを思いついたわ!
あなた…クリフのタイプだわ。
間違いない。きっとエリーならクリフはいちころね」
「は?旦那様からは離縁届をいただいております。それに…」
私は書類のことや、この結婚に至った経緯、これからどうしたらよいのか分からないこと、途中からは、人生相談のような話しをしてしまっていた
「ほんっとにどうしようもないクズね。
大丈夫。全て私に任せてくれないかしら?
あなたは、半年、ここで暮らすだけでいいの。
ただ、辛いでしょうけれど、クリフに普通に接してくれないかしら?
あぁ心配しないで、何もする必要はないのよ。ただクリフの話し相手とでもいうのかしら。
決してあなたの嫌がることはしないように見張っているから
クリフにもきちんと伝えるから。
お願いできないかしら?
ちょうど離縁の時期も半年なのでしょう
」
「…」
私はどうしたらいいのか分からなかった。
ずっと黙っているとメリッサ様が言葉を続ける
「地獄に叩き落としてやるから!」
物騒な言葉が聞こえたような…
「メリッサ様は旦那様に呪いを解く方法はなんとおっしゃったのですか?」
「それはね、クリフに、初めての感情を知ることができたら自ずと解けると」
「初めての感情?」
「そう、クリフに…振り向いてほしかったの。だから…
不思議に思うでしょうけれど、あんなどうしようもないクリフのことがずっと好きだったのよ。
ちょっと意地悪をして失踪したら、私の事ばかり気になって、必死に捜すと思ったの…
そうしたら、私の事だけを…
でも、まさかこんなバカな
ことをしているとは知らなかったわ」
「メリッサ様はご存知なかったのですか?」
「そうよ、だって、昨日だったかしら、私が出れたのは。
こちらではこんなに年月が経っていたのね。
エリー、あなたこういうオルゴールを知らない?」
メリッサ様はオルゴールの映像を見せてくれた。
「いえ、特に心あたりは。このオルゴールがどうされたのですか?」
「これはね、異空間に繋がるオルゴールなの。
私の身体はこのオルゴールの中にあるわ。
これは王家の秘宝の一つなの。
ちょっと逃げたい時とか自由にで出入りできるからよく使っていたわ。
改心の見込みのない犯罪者などもここにいれるのよ…
彼らにはお仕置きする人が必要でしょう?
まぁ私のストレス発散の場所とでもいうのかしら…
ふふふふ
けれどね、私だけが使える出入口が、ずっと封印されてて。
恐らくクリフが封印テープを貼ったんだわ。
オルゴールが異空間に繋がっていることは王族しか知らないことなのよ。
あら、エリーには話してしまったわね。
決して口外してはダメよ。
こんな感じでクリフに口を滑らせたことあったかしら。ううん、妙な事にだけは勘がいいものクリフは。
きっと私の持ち物に封印テープを貼ったのね
何かのはずみでそれが最近剥がれたのだと思う。クリフが剥がすとも思えないから。
例えば…ぶつかって落ちたとか、暴れたりとかかしら?」
暴れる…
もしかして、襲われた時に…
「その、オルゴールは旦那様のお部屋にあったりしますか?」
「うーん、用心深いから、自分の部屋にあると思う。
そうね、エリーが呪いを解けるから、その為にはオルゴールが必要だとな何か言って、エリーに渡すようにクリフを脅すから、大事に持ってて。
きっとよ。
昨日は久しぶりに出れたことが嬉しくて、高速で飛び回ってしまって、どこから来たのか分からなくなって。
今朝は、あなたを見かけて、クリフが私のことなんか忘れて、再婚したのだと思って…」
庭園から私を見つめていたのは、旦那様の妻が気になったからなのね…
「メリッサ様は異空間に戻らないといけないのですか?」
「まぁ、色々と制約があるの。お願いできるかしら?」
なんだかよく分からないけれど、旦那様を改心させることができるならば、新たな被害者も出さなくてすむだろうし、
本当はもう1秒だって会話したくないのだけれど、半年か…まぁきっとなんとかなるかしら
「わ、か、りました」
私は言葉に詰まりながら、結局承諾することにした
皆が緊張しているのが分かる。
何か起こるかもしれないと、恐る恐る扉を開ける。
本当にここにメリッサ様がいるのかしら…
「開けるぞ」
「勿体ぶらずに旦那さまお早く」
一ガチャッ一
最初に入室したのは旦那様、つづいてマクス、そして私。
室内は掃除されていないのに、埃っぽくもなく綺麗だった。
コトッ
突然書き物机から何かが落ちる
皆が一斉にそちらに気を取られて何が落ちたのか確認しようとした時だった。
私達だけしかいないはずなのに、どこからか女性が現れ落ちた物を拾い上げる。
「あなたは…」
女性がこちらへと振り向いた。
この方は…
やはりこの女性は先程みかけた女性だ
「メリッサ…」
旦那様が声をかける。
「お二人ともどなたに話しかけておられるのですか?」
マクスは怪訝な顔をしていた。
「こんにちは、お久しぶりと言うべきかしら旦那様と…」
「え、エリーと申します。メリッサ様」
ニコッと微笑む女性。この方がメリッサ様。
緩やかに波打つ金髪の美しい髪に、透き通るような肌、
間近で見ると釘付けになる
美、美少女…だわ
旦那様と並んだら超絶美男美女のカップル
こ、こんな方を蔑ろにしていたの…?
「そう、エリーと言うの。と、マクスだったわね。あぁ、マクスには私のことは視えてないと思うわ。」
「メリッサ!お前のせいで…今までどこにいた!」
「旦那様、眠れなくて苦しんでいるようね?ふふ」
「誰が旦那様だ。お前がいなくなってとっっくに離縁は成立している」
「そう、そうなのね…捜してもくれないのね」
メリッサ様は目線を下におろし悲しみの表情を浮かべてたが、すぐに目線を上げる
「な~にがそうなのねだメリッサ!
お前のせいで私は」
「クリフ!呪いが解けないのは自分のせいでしょ!」
「だいたいお前は昔から…」
「ちょっとクリフ、そちらがあなたの…まぁいいわ。ちょっとこちらのエリーさんとお話ししたいから、とりあえず出てってクリフ!」
メリッサ様がふっと軽く指を弾くと旦那様が部屋の外へ弾き出された。
一ドサッ一
「イテッ、ちょっ待てメリッサ!」
マクスはゆっくりと丁寧に部屋の外へ運ばれた
扉が閉まり施錠の音がする。
「これで、ゆっくりお話しができるなね。怖がらないで。あなたに危害は加えないわ。」
メリッサ様は優雅にソファーに腰掛けると私を手招きした
誘われるように私もソファーに腰掛ける
「あなたが、私の後にクリフ…と結婚したの?」
「次と言いますが、正確には68番目の妻だと…」
「は?」
私は自分の状況とマクスから聞いた旦那様の非道な行いを全てメリッサ様にお話しした。
「な、な、な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
メリッサ様は驚愕して部屋中飛び回る
「なんてことなの!ばかクリフ!
クソクリフ!許せない許せない許せないおんなの敵!!!
どうしてそんな発想になるの!」
「メリッサさま、メリッサ様!
どうか落ち着いてくださいませ」
私は、メリッサさまを宥めようと声をかけた。
メリッサ様は何周か飛び回るとソファーに戻ってきた
改めてメリッサ様をみると、確かに実体がないように見える。
「あの、メリッサ様は、その、幽霊なのでしょうか?」
単刀直入に質問をぶつける。
「あぁ、この姿だとそうみえるわよね。正確には生き霊というのかしら」
「生き霊?
では、メリッサ様は、生きておられるのですか??」
「ふふふ、あなた、エリーと言ったわね。随分落ち着いているわね」
メリッサ様は私の腕をぎゅっと掴む仕草をした。(触れられてはいない)
「あなたは、私とは正反対ね。私はいつもクリフにうるさいとかお喋りだとか言われて…
クリフは落ち着いた女性が好みなのですって。
そうね、いいことを思いついたわ!
あなた…クリフのタイプだわ。
間違いない。きっとエリーならクリフはいちころね」
「は?旦那様からは離縁届をいただいております。それに…」
私は書類のことや、この結婚に至った経緯、これからどうしたらよいのか分からないこと、途中からは、人生相談のような話しをしてしまっていた
「ほんっとにどうしようもないクズね。
大丈夫。全て私に任せてくれないかしら?
あなたは、半年、ここで暮らすだけでいいの。
ただ、辛いでしょうけれど、クリフに普通に接してくれないかしら?
あぁ心配しないで、何もする必要はないのよ。ただクリフの話し相手とでもいうのかしら。
決してあなたの嫌がることはしないように見張っているから
クリフにもきちんと伝えるから。
お願いできないかしら?
ちょうど離縁の時期も半年なのでしょう
」
「…」
私はどうしたらいいのか分からなかった。
ずっと黙っているとメリッサ様が言葉を続ける
「地獄に叩き落としてやるから!」
物騒な言葉が聞こえたような…
「メリッサ様は旦那様に呪いを解く方法はなんとおっしゃったのですか?」
「それはね、クリフに、初めての感情を知ることができたら自ずと解けると」
「初めての感情?」
「そう、クリフに…振り向いてほしかったの。だから…
不思議に思うでしょうけれど、あんなどうしようもないクリフのことがずっと好きだったのよ。
ちょっと意地悪をして失踪したら、私の事ばかり気になって、必死に捜すと思ったの…
そうしたら、私の事だけを…
でも、まさかこんなバカな
ことをしているとは知らなかったわ」
「メリッサ様はご存知なかったのですか?」
「そうよ、だって、昨日だったかしら、私が出れたのは。
こちらではこんなに年月が経っていたのね。
エリー、あなたこういうオルゴールを知らない?」
メリッサ様はオルゴールの映像を見せてくれた。
「いえ、特に心あたりは。このオルゴールがどうされたのですか?」
「これはね、異空間に繋がるオルゴールなの。
私の身体はこのオルゴールの中にあるわ。
これは王家の秘宝の一つなの。
ちょっと逃げたい時とか自由にで出入りできるからよく使っていたわ。
改心の見込みのない犯罪者などもここにいれるのよ…
彼らにはお仕置きする人が必要でしょう?
まぁ私のストレス発散の場所とでもいうのかしら…
ふふふふ
けれどね、私だけが使える出入口が、ずっと封印されてて。
恐らくクリフが封印テープを貼ったんだわ。
オルゴールが異空間に繋がっていることは王族しか知らないことなのよ。
あら、エリーには話してしまったわね。
決して口外してはダメよ。
こんな感じでクリフに口を滑らせたことあったかしら。ううん、妙な事にだけは勘がいいものクリフは。
きっと私の持ち物に封印テープを貼ったのね
何かのはずみでそれが最近剥がれたのだと思う。クリフが剥がすとも思えないから。
例えば…ぶつかって落ちたとか、暴れたりとかかしら?」
暴れる…
もしかして、襲われた時に…
「その、オルゴールは旦那様のお部屋にあったりしますか?」
「うーん、用心深いから、自分の部屋にあると思う。
そうね、エリーが呪いを解けるから、その為にはオルゴールが必要だとな何か言って、エリーに渡すようにクリフを脅すから、大事に持ってて。
きっとよ。
昨日は久しぶりに出れたことが嬉しくて、高速で飛び回ってしまって、どこから来たのか分からなくなって。
今朝は、あなたを見かけて、クリフが私のことなんか忘れて、再婚したのだと思って…」
庭園から私を見つめていたのは、旦那様の妻が気になったからなのね…
「メリッサ様は異空間に戻らないといけないのですか?」
「まぁ、色々と制約があるの。お願いできるかしら?」
なんだかよく分からないけれど、旦那様を改心させることができるならば、新たな被害者も出さなくてすむだろうし、
本当はもう1秒だって会話したくないのだけれど、半年か…まぁきっとなんとかなるかしら
「わ、か、りました」
私は言葉に詰まりながら、結局承諾することにした