アイドルに推された私 仕事の依頼主は超人気者
プロローグ
キヌコさんについて
ニコニコ家事代行サービスで働くキヌコさん、
六十三歳。
綿あめのようなたてに伸びるフワフワした少し茶色の
髪の毛はいわゆる、アフロへアもどきの髪型。
首元には赤いぺーズリー柄のバンダナを巻いて胸元には小さなニコちゃんマークのロゴ入りの
薄桃色の襟なしトレーナーその下には黒いスラックス、
足元はスニーカーを履いて肩から下げた
大きなトートバックと首から下げられた身分証明書。
それがキヌコさんの姿。
都内のコンシェルジュが在住するマンションに
週に二回、月曜日と木曜日の午後三時から六時までの
三時間程、契約者東田様のお宅で
主に調理、洗濯、掃除、買物等を行うキヌコさん。
契約者の東田様
二十代 男性 独身らしい(キヌコさん調べによると)
キヌコさんと東田は互いの要望や作業内容等は
『連絡ノート』に記載をしてやり取りをする。
キヌコさんの作る料理を気に入った様子の東田は地方に行ったお土産等をノートの横に置いておくなどしていた。
会社側の方針で契約者が留守の間にご自宅に訪問し、
契約者とは顔を合わせることはないはずであったが……
ある日、キヌコさんがいつものように東田の部屋で家事をしていると突然、東田が帰宅してきた。
驚く契約者東田とキヌコさん、
「君誰? いくつ?」と尋ねられたキヌコさん、ソファーにはキヌコさんが置いたと思われる
アフロヘアもどきのウイッグが置かれていた。
キヌコさんには秘密があった。
キヌコさんの名前はハンドルネーム。
キヌコさんは本当は二十四歳。
キヌコさんは様々なトラブルを防止するため六十三歳に変装をしてご自宅を訪問していたのだった。
真実を知った東田は、そんなキヌコさんに契約継続を伝える。
そして、東田にも秘密があった。
東田……彼は、キヌコさんの親友の激推しの
ボーイズグループ『RAIN』のメンバー悠の本名だった。
六十三歳。
綿あめのようなたてに伸びるフワフワした少し茶色の
髪の毛はいわゆる、アフロへアもどきの髪型。
首元には赤いぺーズリー柄のバンダナを巻いて胸元には小さなニコちゃんマークのロゴ入りの
薄桃色の襟なしトレーナーその下には黒いスラックス、
足元はスニーカーを履いて肩から下げた
大きなトートバックと首から下げられた身分証明書。
それがキヌコさんの姿。
都内のコンシェルジュが在住するマンションに
週に二回、月曜日と木曜日の午後三時から六時までの
三時間程、契約者東田様のお宅で
主に調理、洗濯、掃除、買物等を行うキヌコさん。
契約者の東田様
二十代 男性 独身らしい(キヌコさん調べによると)
キヌコさんと東田は互いの要望や作業内容等は
『連絡ノート』に記載をしてやり取りをする。
キヌコさんの作る料理を気に入った様子の東田は地方に行ったお土産等をノートの横に置いておくなどしていた。
会社側の方針で契約者が留守の間にご自宅に訪問し、
契約者とは顔を合わせることはないはずであったが……
ある日、キヌコさんがいつものように東田の部屋で家事をしていると突然、東田が帰宅してきた。
驚く契約者東田とキヌコさん、
「君誰? いくつ?」と尋ねられたキヌコさん、ソファーにはキヌコさんが置いたと思われる
アフロヘアもどきのウイッグが置かれていた。
キヌコさんには秘密があった。
キヌコさんの名前はハンドルネーム。
キヌコさんは本当は二十四歳。
キヌコさんは様々なトラブルを防止するため六十三歳に変装をしてご自宅を訪問していたのだった。
真実を知った東田は、そんなキヌコさんに契約継続を伝える。
そして、東田にも秘密があった。
東田……彼は、キヌコさんの親友の激推しの
ボーイズグループ『RAIN』のメンバー悠の本名だった。
< 1 / 35 >