アイドルに推された私 仕事の依頼主は超人気者
決意と覚悟
「ええ、わかったわ。じゃあそれで」
電話を切る雅社長、にこやかな表情を見せた。
「雅社長、何かありましたか?」田代MGが雅に聞いた。
「あの子、やりますって……今、連絡が来たの。決意してくれたみたい……」
「そうですか、よかったですね。彼女、誰かに相談するって言ってましたもんね。
きっとその人が背中を押してくれたんでしょうね」
「ええ、そうみたいね。彼女の背中を押してくれた人に
感謝しなくてはいけないわね」
こうして、キヌコさんこと……『上村 唯』は、
株式会社 Mエンターテインメントに
正式に入ることになった。
M エンターテインメントに正式に所属になった唯であったが雅社長の提案により、
しばらくの間は現在の仕事と並行してレッスンを受けることになった。
レッスンのスケジュールが徐々に過密さを増してきた頃、唯の『家事代行サービス』の仕事は悠の家の
週二回と、古参の契約者数名だけとなっていた。
悠の部屋で洗濯物を干す唯。
テーブルの上には開かれた『連絡ノート』そして貼られてメモ用紙には……、
キヌコさんへ
レッスンの状況はどう? 家事の仕事との両立大丈夫? 無理しないでね。悠
と書かれていた。
家事の仕事を終え『連絡ノート』に記入を済ませた唯はメモ用紙にメッセージを書き込んだ。
悠さんへ
レッスン大変で、身体がボロボロには……まだなっていません(笑)
今は、ここで家事をさせていただくのが唯一の息抜きのようになってます。キヌコ
帰宅後、悠はメモを読むと、
「俺の『推し』がんばって……」と呟いた。
「唯ちゃん、レッスンには慣れてきたようね」と雅が彼女に聞いた。
「はい。随分慣れました」と唯が返事をする。
「そう。今日事務所に呼んだのは、そろそろレッスンも次の段階に移ってもらおうと思ってるの」
「次の段階ですか? というのは?」
「本格的なレッスンに移行するということ。つまり、今の仕事を辞めてもらって、こっち一本に専念してもらい
たくて」雅の突然の提案に驚く唯。
「今の仕事を辞めてレッスン一本に絞るなんて、その……私にも生活があるので無職っていうのはいささか困るんですけど……」
「それは、大丈夫よ」
「大丈夫というと?」
「あなたを暫くの間、某有名な映像監督に預けることにしたのよ。その方、若手俳優を育成する『塾』いわゆる
『養成所』を持っててね、誰でもってわけにはいかないのよ。
あなたのレッスン風景の動画を見た監督がね承諾してくれたのよ。
もちろん、私も激押ししたけど。現在、あなたを入れて三名のみ。
養成所には寮もあるし食事付き。監督の撮影等の助手をしてもらうからその分のバイト代もでる。何より、間近で有名俳優や女優さんの演技を見ることが出来る。
もちろんやるわよね? あなた覚悟決めてるんでしょ?」と雅が真顔で言った。
「はい、やります。ありがとうございました」と唯が即答した。
「それでいいわ。今の仕事を急に辞めるのも会社に失礼だと思うから、一ケ月後に養成所に行けるように手配して
おくわ」と雅が言った。
「一ケ月後か……」と呟く唯。
事務所を出ると、唯はスマホを取り出し会社に連絡をした。
電話を切る雅社長、にこやかな表情を見せた。
「雅社長、何かありましたか?」田代MGが雅に聞いた。
「あの子、やりますって……今、連絡が来たの。決意してくれたみたい……」
「そうですか、よかったですね。彼女、誰かに相談するって言ってましたもんね。
きっとその人が背中を押してくれたんでしょうね」
「ええ、そうみたいね。彼女の背中を押してくれた人に
感謝しなくてはいけないわね」
こうして、キヌコさんこと……『上村 唯』は、
株式会社 Mエンターテインメントに
正式に入ることになった。
M エンターテインメントに正式に所属になった唯であったが雅社長の提案により、
しばらくの間は現在の仕事と並行してレッスンを受けることになった。
レッスンのスケジュールが徐々に過密さを増してきた頃、唯の『家事代行サービス』の仕事は悠の家の
週二回と、古参の契約者数名だけとなっていた。
悠の部屋で洗濯物を干す唯。
テーブルの上には開かれた『連絡ノート』そして貼られてメモ用紙には……、
キヌコさんへ
レッスンの状況はどう? 家事の仕事との両立大丈夫? 無理しないでね。悠
と書かれていた。
家事の仕事を終え『連絡ノート』に記入を済ませた唯はメモ用紙にメッセージを書き込んだ。
悠さんへ
レッスン大変で、身体がボロボロには……まだなっていません(笑)
今は、ここで家事をさせていただくのが唯一の息抜きのようになってます。キヌコ
帰宅後、悠はメモを読むと、
「俺の『推し』がんばって……」と呟いた。
「唯ちゃん、レッスンには慣れてきたようね」と雅が彼女に聞いた。
「はい。随分慣れました」と唯が返事をする。
「そう。今日事務所に呼んだのは、そろそろレッスンも次の段階に移ってもらおうと思ってるの」
「次の段階ですか? というのは?」
「本格的なレッスンに移行するということ。つまり、今の仕事を辞めてもらって、こっち一本に専念してもらい
たくて」雅の突然の提案に驚く唯。
「今の仕事を辞めてレッスン一本に絞るなんて、その……私にも生活があるので無職っていうのはいささか困るんですけど……」
「それは、大丈夫よ」
「大丈夫というと?」
「あなたを暫くの間、某有名な映像監督に預けることにしたのよ。その方、若手俳優を育成する『塾』いわゆる
『養成所』を持っててね、誰でもってわけにはいかないのよ。
あなたのレッスン風景の動画を見た監督がね承諾してくれたのよ。
もちろん、私も激押ししたけど。現在、あなたを入れて三名のみ。
養成所には寮もあるし食事付き。監督の撮影等の助手をしてもらうからその分のバイト代もでる。何より、間近で有名俳優や女優さんの演技を見ることが出来る。
もちろんやるわよね? あなた覚悟決めてるんでしょ?」と雅が真顔で言った。
「はい、やります。ありがとうございました」と唯が即答した。
「それでいいわ。今の仕事を急に辞めるのも会社に失礼だと思うから、一ケ月後に養成所に行けるように手配して
おくわ」と雅が言った。
「一ケ月後か……」と呟く唯。
事務所を出ると、唯はスマホを取り出し会社に連絡をした。