大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
五木はきっとそんな花奏を一番近くで支えながら、心配をし、不安を抱えて過ごしていたのかも知れない。
――だから五木さんは、私が一人でいなくなった時も、あんなに怒ったのだわ。
軍楽隊の演奏会の日、五木は姿を消した志乃に鬼のような形相で、ひどく怒っていたのを思い出す。
「五木さんは演奏会の日、私が一人で席を外した時に、とてもお怒りになりましたが、旦那様のことがあったからですか?」
志乃の声に目を丸くすると、五木は急にフォッフォッといつもの笑い声をあげる。
「まぁ、そうかも知れませぬな。ただ……志乃様は、何をしでかすか、こちらがハラハラするときがあるのでございますよ」
五木はそう言うと、そっと志乃に顔を覗き込ませる。
「きっと旦那様も、そう思われていることでしょう」
「え!? そうなのですか!?」
思いもよらぬ返答が帰って来て、素っ頓狂な声を上げる志乃に、五木はフォッフォッと楽しそうに大きな声で笑った。
――だから五木さんは、私が一人でいなくなった時も、あんなに怒ったのだわ。
軍楽隊の演奏会の日、五木は姿を消した志乃に鬼のような形相で、ひどく怒っていたのを思い出す。
「五木さんは演奏会の日、私が一人で席を外した時に、とてもお怒りになりましたが、旦那様のことがあったからですか?」
志乃の声に目を丸くすると、五木は急にフォッフォッといつもの笑い声をあげる。
「まぁ、そうかも知れませぬな。ただ……志乃様は、何をしでかすか、こちらがハラハラするときがあるのでございますよ」
五木はそう言うと、そっと志乃に顔を覗き込ませる。
「きっと旦那様も、そう思われていることでしょう」
「え!? そうなのですか!?」
思いもよらぬ返答が帰って来て、素っ頓狂な声を上げる志乃に、五木はフォッフォッと楽しそうに大きな声で笑った。