大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
嘆いてばかりはいられない。
次の日から志乃は、すぐに新しい生活に向けて動き出した。
母を看病しながら妹たちを学校に通わせ、働き口を探す。
忙しく動き回る志乃の家に、田所先生も度々様子を見に来てくれた。
「志乃ちゃん。一番怖いのは、志乃ちゃんたち家族が感染してしまうことだからね。この病は一家全滅することも少なくないんだ」
田所先生はそう言って、予防法を何度となく丁寧に教えてくれた。
志乃は教えられたことを忠実に守り、母のお世話をする時はマスクをつけ、部屋の換気を十分に行った。
そして母だけでなく妹たちにも、できるだけ栄養のあるものを食べさせ、十分な睡眠を取るように工夫した。
そのおかげか、志乃も妹たちも今の所、感染した様子は見られない。
そんなある日、志乃が母にお粥を持って行くと、母は目を開けていた。
田所先生が持って来てくれた、水銀の体温計で体温を測ると、熱もさほど出てはいない。
まだ激しい咳込みはあるが、それでも今日はだいぶ調子が良さそうだった。
次の日から志乃は、すぐに新しい生活に向けて動き出した。
母を看病しながら妹たちを学校に通わせ、働き口を探す。
忙しく動き回る志乃の家に、田所先生も度々様子を見に来てくれた。
「志乃ちゃん。一番怖いのは、志乃ちゃんたち家族が感染してしまうことだからね。この病は一家全滅することも少なくないんだ」
田所先生はそう言って、予防法を何度となく丁寧に教えてくれた。
志乃は教えられたことを忠実に守り、母のお世話をする時はマスクをつけ、部屋の換気を十分に行った。
そして母だけでなく妹たちにも、できるだけ栄養のあるものを食べさせ、十分な睡眠を取るように工夫した。
そのおかげか、志乃も妹たちも今の所、感染した様子は見られない。
そんなある日、志乃が母にお粥を持って行くと、母は目を開けていた。
田所先生が持って来てくれた、水銀の体温計で体温を測ると、熱もさほど出てはいない。
まだ激しい咳込みはあるが、それでも今日はだいぶ調子が良さそうだった。