大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
再会
志乃はまだぽーっとした心持ちのまま、重い扉を押して会場の外に出る。
ふと見ると、廊下には重厚感のある立派な長椅子が置かれており、息をつきながら腰かけた。
腰回りを圧迫しているコルセットに、さすがに志乃の身体も悲鳴を上げ出していたからほっとする。
あれから花奏は、重要な仕事の話があると言って、エドワードと共にその場を離れた。
花奏は、初めての場で緊張する志乃の身体を、気づかってくれたのかも知れない。
「志乃は、少し外で休んでくるといい」
そう言って、優しくほほ笑んだのだ。
志乃は再びふうと息をつくと、濃い緑色をしたベルベットの座面に深く腰を沈める。
“シノハ、カナデノ、タイセツナヒト”
頭の中には、エドワードの言葉が何度も浮かんでは消えていった。
「エドワード様は、どういう意味で言われたの……?」
ポツリとつぶやいた時、廊下をパタパタと駆ける足音が聞こえて、志乃は顔を上げる。
ふと目を向けると、可愛らしい女の子が、絨毯の敷かれた廊下をこちらへ向かって走ってきているのが見えた。
ふと見ると、廊下には重厚感のある立派な長椅子が置かれており、息をつきながら腰かけた。
腰回りを圧迫しているコルセットに、さすがに志乃の身体も悲鳴を上げ出していたからほっとする。
あれから花奏は、重要な仕事の話があると言って、エドワードと共にその場を離れた。
花奏は、初めての場で緊張する志乃の身体を、気づかってくれたのかも知れない。
「志乃は、少し外で休んでくるといい」
そう言って、優しくほほ笑んだのだ。
志乃は再びふうと息をつくと、濃い緑色をしたベルベットの座面に深く腰を沈める。
“シノハ、カナデノ、タイセツナヒト”
頭の中には、エドワードの言葉が何度も浮かんでは消えていった。
「エドワード様は、どういう意味で言われたの……?」
ポツリとつぶやいた時、廊下をパタパタと駆ける足音が聞こえて、志乃は顔を上げる。
ふと目を向けると、可愛らしい女の子が、絨毯の敷かれた廊下をこちらへ向かって走ってきているのが見えた。