大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「私とですか?」
驚く志乃に、谷崎はこくりとうなずいた。
「えぇ。もう一度確認したかったのです。あなたと斎宮司殿との関係を……」
「え……」
谷崎の言葉に、志乃は目を見開くと、固まったように動けなくなる。
谷崎はそんな志乃の瞳をまっすぐに見つめた。
「軍楽隊の演奏会の日、僕はあなたが斎宮司殿の奥様なのだと思いました。でもずっと、あの日のあなたの様子が、気になっていたのです」
谷崎の声に志乃は小さく下を向く。
谷崎が志乃と花奏の関係に違和感をもつのは当然だろう。
それもそのはず、だってあの日、志乃は初めて死神の正体が斎宮司花奏だったと知ったのだから。
谷崎はそのまま言葉を続ける。
「先程、父にも聞いたのですが、やはりまだわからないのです。あなたと斎宮司殿は、どういった関係なのでしょうか……? 奥様ではないのですか? そうなのであれば、僕は……」
そこまで言った谷崎は、志乃の顔を見てはっと口をつぐむ。
志乃の瞳はみるみる涙で満ちてきていたのだ。
驚く志乃に、谷崎はこくりとうなずいた。
「えぇ。もう一度確認したかったのです。あなたと斎宮司殿との関係を……」
「え……」
谷崎の言葉に、志乃は目を見開くと、固まったように動けなくなる。
谷崎はそんな志乃の瞳をまっすぐに見つめた。
「軍楽隊の演奏会の日、僕はあなたが斎宮司殿の奥様なのだと思いました。でもずっと、あの日のあなたの様子が、気になっていたのです」
谷崎の声に志乃は小さく下を向く。
谷崎が志乃と花奏の関係に違和感をもつのは当然だろう。
それもそのはず、だってあの日、志乃は初めて死神の正体が斎宮司花奏だったと知ったのだから。
谷崎はそのまま言葉を続ける。
「先程、父にも聞いたのですが、やはりまだわからないのです。あなたと斎宮司殿は、どういった関係なのでしょうか……? 奥様ではないのですか? そうなのであれば、僕は……」
そこまで言った谷崎は、志乃の顔を見てはっと口をつぐむ。
志乃の瞳はみるみる涙で満ちてきていたのだ。