大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「はい。クリスマスプディングと呼ぶそうです」
「ほお」
「西欧ではこの時期にクリスマスのお祝いをして、家族で食卓を囲むのが習わしだとか。とても時間がかかったのですが、旦那様と五木さんに召し上がっていただきたくて、頑張って作りました……」
頬を赤らめる志乃に、花奏は少し驚いたように目を丸くしている。
「家族か……」
花奏がそうつぶやき、志乃は小さく首を傾げた。
「旦那様? どうかされましたか?」
「いいや……。それで運転手を先に帰したのか」
花奏は優しく首を横に振ると、話を戻すように志乃の顔を覗き込む。
「そうなのです。谷崎様が、帰りが遅くなる旨を、旦那様に手紙を書いてくださるとおっしゃられて……。運転手さんに託したのですが、ご覧になられましたか?」
花奏は志乃の話に「あぁ」と相槌をうつ。
「谷崎殿からの手紙は、ちゃんと読んでおる」
「あぁ、良かったです」
花奏の声に、志乃はほっとしてほほ笑んだ。
「ほお」
「西欧ではこの時期にクリスマスのお祝いをして、家族で食卓を囲むのが習わしだとか。とても時間がかかったのですが、旦那様と五木さんに召し上がっていただきたくて、頑張って作りました……」
頬を赤らめる志乃に、花奏は少し驚いたように目を丸くしている。
「家族か……」
花奏がそうつぶやき、志乃は小さく首を傾げた。
「旦那様? どうかされましたか?」
「いいや……。それで運転手を先に帰したのか」
花奏は優しく首を横に振ると、話を戻すように志乃の顔を覗き込む。
「そうなのです。谷崎様が、帰りが遅くなる旨を、旦那様に手紙を書いてくださるとおっしゃられて……。運転手さんに託したのですが、ご覧になられましたか?」
花奏は志乃の話に「あぁ」と相槌をうつ。
「谷崎殿からの手紙は、ちゃんと読んでおる」
「あぁ、良かったです」
花奏の声に、志乃はほっとしてほほ笑んだ。