大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
――あぁ、どうしたらよいの。私はこんなにも、旦那様が愛しくてたまらないのに……。
この想いを、どうしたら花奏に伝えることができるのだろうか。
しばらく思い悩んでいた志乃は、花奏の手を掴み直すと、今度は自分の両手で優しく包み込んだ。
「志乃?」
花奏がはっと顔を上げる。
志乃は花奏の手を自分の胸元に寄せると、ぎゅっと抱きしめた。
「前にもお伝えしたではありませぬか。私は旦那様の妻なのです。出ていく気など、毛頭ございませぬ」
そう言葉を紡ぐ志乃の瞳からは、次から次へと涙が溢れ出している。
「志乃……」
花奏は志乃の名を呼ぶと、志乃の身体をぐっと引き寄せた。
「旦那様……」
志乃は花奏に引かれるまま、その身を花奏にあずける。
いつしか志乃の身体は、花奏の腕の中へと包まれていた。
――あぁ、ずっと飛び込みたいと願っていた旦那様の胸は、なんと広く温かいの……。
トクトクと刻む花奏の鼓動が、志乃の身体に直接伝わってくる。
花奏がぐっと腕に力をこめる度、志乃の心はより満たされていった。
しばらくの間、きつく抱きしめ合っていた二人は、そっと手を緩めると、お互いの顔を見つめ合う。
この想いを、どうしたら花奏に伝えることができるのだろうか。
しばらく思い悩んでいた志乃は、花奏の手を掴み直すと、今度は自分の両手で優しく包み込んだ。
「志乃?」
花奏がはっと顔を上げる。
志乃は花奏の手を自分の胸元に寄せると、ぎゅっと抱きしめた。
「前にもお伝えしたではありませぬか。私は旦那様の妻なのです。出ていく気など、毛頭ございませぬ」
そう言葉を紡ぐ志乃の瞳からは、次から次へと涙が溢れ出している。
「志乃……」
花奏は志乃の名を呼ぶと、志乃の身体をぐっと引き寄せた。
「旦那様……」
志乃は花奏に引かれるまま、その身を花奏にあずける。
いつしか志乃の身体は、花奏の腕の中へと包まれていた。
――あぁ、ずっと飛び込みたいと願っていた旦那様の胸は、なんと広く温かいの……。
トクトクと刻む花奏の鼓動が、志乃の身体に直接伝わってくる。
花奏がぐっと腕に力をこめる度、志乃の心はより満たされていった。
しばらくの間、きつく抱きしめ合っていた二人は、そっと手を緩めると、お互いの顔を見つめ合う。