大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「エドワード様は今どちらに……!?」
志乃は震える自分の両手を、握り締めながら必死に声を出す。
「すぐ田所先生が駆けつけてくださり、今は屋敷の奥の部屋で休んでおいでです。田所先生より、斎宮司殿をお連れするようにと、私の元に連絡が入りました」
怪我の程度が軽いという谷崎の説明に、志乃は少しだけほっとした。
でも花奏は眉間に皺を寄せたまま、考え込むように額に手を当てている。
谷崎は花奏の様子を伺うように話を続けた。
「私も知らせを受けて、真っすぐにこちらに向かったので、話を聞いただけなのですが……」
「どうされた?」
谷崎が口ごもり、花奏が眉をひそめる。
「エドワード殿は、今すぐにでも帰国すると言われているそうです。当然、今回契約を結んだものも、すべて白紙にすると……」
谷崎の話に花奏が深く息を吐いた。
「エドワードはこの街や人に、とても親しみを持ってくれていた。そのエドワードがそこまで言うとは……。今回の件は、エドワードの心に深く傷をつけたのは間違いない……」
志乃は震える自分の両手を、握り締めながら必死に声を出す。
「すぐ田所先生が駆けつけてくださり、今は屋敷の奥の部屋で休んでおいでです。田所先生より、斎宮司殿をお連れするようにと、私の元に連絡が入りました」
怪我の程度が軽いという谷崎の説明に、志乃は少しだけほっとした。
でも花奏は眉間に皺を寄せたまま、考え込むように額に手を当てている。
谷崎は花奏の様子を伺うように話を続けた。
「私も知らせを受けて、真っすぐにこちらに向かったので、話を聞いただけなのですが……」
「どうされた?」
谷崎が口ごもり、花奏が眉をひそめる。
「エドワード殿は、今すぐにでも帰国すると言われているそうです。当然、今回契約を結んだものも、すべて白紙にすると……」
谷崎の話に花奏が深く息を吐いた。
「エドワードはこの街や人に、とても親しみを持ってくれていた。そのエドワードがそこまで言うとは……。今回の件は、エドワードの心に深く傷をつけたのは間違いない……」