大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
すると花奏は、にっこりとうなずいて志乃の顔を覗き込む。
「志乃の思うようにすれば良い。俺はいつでも、お前を見守っておる……」
花奏の包み込むような言葉を聞きながら、志乃ははじめて気がついた。
――あぁきっと、今までもそうだったんだ。旦那様に見守られていたからこそ、私は自分の思うようにしてこられたのだわ。
志乃は顔を上げると、いっぱいの涙で潤んだ瞳でうなずき返す。
そんな志乃に優しく口づけると、花奏は再び力強く抱きしめてくれたのだ。
「志乃さん」
昨夜のことを思い出していた志乃が、はっと我に返ると、谷崎が唯子と手を繋いでこちらにやってくるのが見えた。
「谷崎様、唯子ちゃん。来てくれたのですか?」
志乃の声ににっこりとほほ笑むと、唯子は「お姉さま」と言って志乃にぎゅっと抱きつく。
「どうしても唯子が、志乃さんの箏を聴きたいと言って」
「まぁ、唯子ちゃんありがとう」
志乃が腰をかがめると、唯子はにっこりとほほ笑んだ。
「お姉さま。唯子はお姉さまを応援しております」
「唯子ちゃんにそう言ってもらえたら、百人力だわ」
志乃が笑いながら拳を握った時、谷崎の父が顔を覗かせる。
「志乃の思うようにすれば良い。俺はいつでも、お前を見守っておる……」
花奏の包み込むような言葉を聞きながら、志乃ははじめて気がついた。
――あぁきっと、今までもそうだったんだ。旦那様に見守られていたからこそ、私は自分の思うようにしてこられたのだわ。
志乃は顔を上げると、いっぱいの涙で潤んだ瞳でうなずき返す。
そんな志乃に優しく口づけると、花奏は再び力強く抱きしめてくれたのだ。
「志乃さん」
昨夜のことを思い出していた志乃が、はっと我に返ると、谷崎が唯子と手を繋いでこちらにやってくるのが見えた。
「谷崎様、唯子ちゃん。来てくれたのですか?」
志乃の声ににっこりとほほ笑むと、唯子は「お姉さま」と言って志乃にぎゅっと抱きつく。
「どうしても唯子が、志乃さんの箏を聴きたいと言って」
「まぁ、唯子ちゃんありがとう」
志乃が腰をかがめると、唯子はにっこりとほほ笑んだ。
「お姉さま。唯子はお姉さまを応援しております」
「唯子ちゃんにそう言ってもらえたら、百人力だわ」
志乃が笑いながら拳を握った時、谷崎の父が顔を覗かせる。