大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
母の病を知り、絶望の淵で嫁いだ旦那様は、初めは名も知らぬ“死神の旦那様”だった。
それでも懸命に屋敷で生活を送るうちに、ふと書くようになった死神に宛てた手紙。
手紙を綴るうちに、自分でも知らない内に募らせていった死神への想い。
死神の正体がついに斎宮司花奏だとわかり、花奏を過去の苦しみから救いたいと、必死に過ごしていた、あの頃。
そして花奏と心を通わせて、本当の妻になってからの日々……。
全ての時間が志乃にとって愛しく、大切でかけがえのないものだ。
「旦那様……」
花奏を見上げる志乃の瞳には、次から次へと涙が溢れだしてくる。
――あぁ、私も旦那様へ、この気持ちを伝えたい。
志乃はにっこりとほほ笑むと、愛しい花奏に向かってゆっくりと口を開いた。
「旦那様……私も旦那様の妻になれたことを、心の底から誇りに思います」
「志乃……」
きつく抱きしめ合う二人を包み込むように、会場内にはいつまでもいつまでも、温かい拍手が鳴り響いていた。
それでも懸命に屋敷で生活を送るうちに、ふと書くようになった死神に宛てた手紙。
手紙を綴るうちに、自分でも知らない内に募らせていった死神への想い。
死神の正体がついに斎宮司花奏だとわかり、花奏を過去の苦しみから救いたいと、必死に過ごしていた、あの頃。
そして花奏と心を通わせて、本当の妻になってからの日々……。
全ての時間が志乃にとって愛しく、大切でかけがえのないものだ。
「旦那様……」
花奏を見上げる志乃の瞳には、次から次へと涙が溢れだしてくる。
――あぁ、私も旦那様へ、この気持ちを伝えたい。
志乃はにっこりとほほ笑むと、愛しい花奏に向かってゆっくりと口を開いた。
「旦那様……私も旦那様の妻になれたことを、心の底から誇りに思います」
「志乃……」
きつく抱きしめ合う二人を包み込むように、会場内にはいつまでもいつまでも、温かい拍手が鳴り響いていた。