大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「うむ。詳しく申せば、慈善事業を行う有志の集まりをつくるのだ。例えば、演奏会などを開き、得られた収益を療養所の維持や環境の改善に使うなど。あぁ、そうだ。それと合わせて、講演会も開けるとよいな」
「は、はい……」
「講演会は識者を招いて、一般の人へ向けた、病の話をしてもらうのだ。予防法や家庭内での対処法も学べる内容なら、さらに良いだろう。病に関する知識を、広く皆に持ってもらうのは重要だ」
そう話をする花奏の瞳は、まさに夢を語る少年のようにきらきらと輝いている。
志乃は思わず呆気に取られていたが、途端にくすくすと笑いだしてしまった。
「志乃? どうしたのだ?」
「いえ。あまりに旦那様が楽しそうにお話になるもので、つい嬉しくなってしまって。でも、そのように大それたこと、本当にできるのでしょうか……?」
すると花奏は、ぐいっと志乃に顔を覗き込ませる。
「志乃。俺たちには、皆がいるではないか」
「皆が……?」
「あぁ、そうだ」
花奏はそう言うと、力強い瞳でうなずいたのだ。
「は、はい……」
「講演会は識者を招いて、一般の人へ向けた、病の話をしてもらうのだ。予防法や家庭内での対処法も学べる内容なら、さらに良いだろう。病に関する知識を、広く皆に持ってもらうのは重要だ」
そう話をする花奏の瞳は、まさに夢を語る少年のようにきらきらと輝いている。
志乃は思わず呆気に取られていたが、途端にくすくすと笑いだしてしまった。
「志乃? どうしたのだ?」
「いえ。あまりに旦那様が楽しそうにお話になるもので、つい嬉しくなってしまって。でも、そのように大それたこと、本当にできるのでしょうか……?」
すると花奏は、ぐいっと志乃に顔を覗き込ませる。
「志乃。俺たちには、皆がいるではないか」
「皆が……?」
「あぁ、そうだ」
花奏はそう言うと、力強い瞳でうなずいたのだ。