大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「誰もいないのかしら?」
さらにぐっと首を伸ばした志乃は、突然背後に人影を感じてビクッと飛び跳ねてしまった。
「志乃様、どうされたのですか?」
「きゃっ……痛たたた……」
五木の声にドキリとした志乃は、思わず飛び跳ねて頭をぶつけてしまった。
こっそり覗いていたところを見られるとは、なんて恥ずかしい。
すると五木は、フォッフォッフォッと怪しく笑いながら、志乃の荷物を持って、さっさと部屋にあがっていく。
「も、もう……五木さんが死神なんじゃないの……!?」
志乃は止まりそうになった心臓を押さえて落ち着かせると、五木について中へと入った。
「こちらが炊事場、その奥が風呂場。廊下を曲がった突き当り、右側が志乃様のお部屋、その向かいの左側が、旦那様のお部屋になっております」
志乃は案内されるまま、そっと開けられた障子から中を覗き込む。
死神の部屋はどうも書斎も兼ねているようで、舶来品であろう細工にこだわった脚の長い豪華な机と椅子が一番に目についた。
机の上には、何やら難しそうな本と新聞が並べられている。
さらにぐっと首を伸ばした志乃は、突然背後に人影を感じてビクッと飛び跳ねてしまった。
「志乃様、どうされたのですか?」
「きゃっ……痛たたた……」
五木の声にドキリとした志乃は、思わず飛び跳ねて頭をぶつけてしまった。
こっそり覗いていたところを見られるとは、なんて恥ずかしい。
すると五木は、フォッフォッフォッと怪しく笑いながら、志乃の荷物を持って、さっさと部屋にあがっていく。
「も、もう……五木さんが死神なんじゃないの……!?」
志乃は止まりそうになった心臓を押さえて落ち着かせると、五木について中へと入った。
「こちらが炊事場、その奥が風呂場。廊下を曲がった突き当り、右側が志乃様のお部屋、その向かいの左側が、旦那様のお部屋になっております」
志乃は案内されるまま、そっと開けられた障子から中を覗き込む。
死神の部屋はどうも書斎も兼ねているようで、舶来品であろう細工にこだわった脚の長い豪華な机と椅子が一番に目についた。
机の上には、何やら難しそうな本と新聞が並べられている。