大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「井戸水で冷やすのも良いですが、今日は冷蔵庫の氷が、新しいのが届きましたからね。とても良く冷えておりますよ」
五木は嬉しそうにそう言うと、スイカを一切れ取り上げ、ひょいと志乃に手渡す。
「いただきます」
志乃は、死神の事を聞きたい気持ちを抑えるように手を合わせると、真っ赤なスイカを受け取った。
スイカは本当によく冷えていて、志乃は両手の指先で持ちながら、大きな口を開けてがぶりと頬張る。
するとシャクリという音とともに、キーンという冷たさが、一気に口の中に伝わった。
でもすぐにそれは、甘くてみずみずしいスイカの蜜で満たされる。
「わぁ、すごく甘くて美味しい!」
志乃の弾むような声に、五木は満足そうだ。
火照った身体が一気に冷やされ、ふうと息をついた志乃は、遠慮がちに五木を見た。
「あの……昨晩、旦那様はこちらに?」
もじもじと声を出す志乃に、五木はお茶をズズッとすすると「はい、さようで」とうなずいた。
五木は嬉しそうにそう言うと、スイカを一切れ取り上げ、ひょいと志乃に手渡す。
「いただきます」
志乃は、死神の事を聞きたい気持ちを抑えるように手を合わせると、真っ赤なスイカを受け取った。
スイカは本当によく冷えていて、志乃は両手の指先で持ちながら、大きな口を開けてがぶりと頬張る。
するとシャクリという音とともに、キーンという冷たさが、一気に口の中に伝わった。
でもすぐにそれは、甘くてみずみずしいスイカの蜜で満たされる。
「わぁ、すごく甘くて美味しい!」
志乃の弾むような声に、五木は満足そうだ。
火照った身体が一気に冷やされ、ふうと息をついた志乃は、遠慮がちに五木を見た。
「あの……昨晩、旦那様はこちらに?」
もじもじと声を出す志乃に、五木はお茶をズズッとすすると「はい、さようで」とうなずいた。