大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
五木の声に途端に安心すると、志乃はにっこりと笑顔を見せる。
「実はお土産のお礼に、妹たちから旦那様宛に、千代紙で作った鶴を預かってきたのです。また旦那様に、お手紙を書いてもよろしいでしょうか?」
「もちろんでございますとも。きっとお喜びになられるでしょう」
「はい!」
志乃は元気に返事をすると、再びスイカにがぶりとかじりついた。
その日以降、志乃は毎日のように、死神に宛てて手紙を書くようになった。
次第にそれは日記のようにもなり、誰かに宛てた恋文のようでもあり、それでも手紙を書くことによって、志乃は少しでも死神と繋がりたいと思い、書き続けたのだ。
手紙は何通か机の上に溜まることもあれば、ある日さっぱりと消えていることもあったが、死神から返事が来たことは一度もなかった。
時には“死神の旦那様”が本当に実在する人物なのか、疑問に思うほどであったが、それでも志乃は手紙を書くことを辞めなかった。
「実はお土産のお礼に、妹たちから旦那様宛に、千代紙で作った鶴を預かってきたのです。また旦那様に、お手紙を書いてもよろしいでしょうか?」
「もちろんでございますとも。きっとお喜びになられるでしょう」
「はい!」
志乃は元気に返事をすると、再びスイカにがぶりとかじりついた。
その日以降、志乃は毎日のように、死神に宛てて手紙を書くようになった。
次第にそれは日記のようにもなり、誰かに宛てた恋文のようでもあり、それでも手紙を書くことによって、志乃は少しでも死神と繋がりたいと思い、書き続けたのだ。
手紙は何通か机の上に溜まることもあれば、ある日さっぱりと消えていることもあったが、死神から返事が来たことは一度もなかった。
時には“死神の旦那様”が本当に実在する人物なのか、疑問に思うほどであったが、それでも志乃は手紙を書くことを辞めなかった。