大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
死神からの贈り物
志乃が手紙を書くようになって、しばらくたったある日。
志乃がいつものように朝の支度のために部屋の障子を開けると、部屋の前に何やら衣装箱が置いてあることに気がついた。
不思議に思った志乃は、その場に正座すると、そっと衣装箱を開けてみる。
包みの和紙をめくり、中を覗いた志乃は、はっと息をのんだ。
中から出てきたのは、淡い水色の紗の着物だ。
涼しげな着物には、清楚な桔梗が表されている。
「なんて素敵なの……」
志乃はかすかに震える手で、着物をそっと持ち上げた。
すると中に入っていたのか、何やらチラシのようなものが一枚ひらりと落ちる。
「帝国海軍軍楽隊 定期演奏会……?」
チラシには大きな題字と共に、演奏会の日時や場所の詳細が書かれていた。
まじまじとチラシを覗いていた志乃は、思わず「あっ」と声を上げる。
そういえば数日前の手紙に“お使いの帰りに、軍楽隊のマーチが聴こえました”と、書いていたのを思い出したのだ。
志乃がいつものように朝の支度のために部屋の障子を開けると、部屋の前に何やら衣装箱が置いてあることに気がついた。
不思議に思った志乃は、その場に正座すると、そっと衣装箱を開けてみる。
包みの和紙をめくり、中を覗いた志乃は、はっと息をのんだ。
中から出てきたのは、淡い水色の紗の着物だ。
涼しげな着物には、清楚な桔梗が表されている。
「なんて素敵なの……」
志乃はかすかに震える手で、着物をそっと持ち上げた。
すると中に入っていたのか、何やらチラシのようなものが一枚ひらりと落ちる。
「帝国海軍軍楽隊 定期演奏会……?」
チラシには大きな題字と共に、演奏会の日時や場所の詳細が書かれていた。
まじまじとチラシを覗いていた志乃は、思わず「あっ」と声を上げる。
そういえば数日前の手紙に“お使いの帰りに、軍楽隊のマーチが聴こえました”と、書いていたのを思い出したのだ。