大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「これは、私も行って良いということでしょうか?」
「もちろん、そうでございましょう」
「つまり、旦那様にお会いできると」
志乃の勢いに、五木はフォッフォッと笑い声を立てると、興奮する志乃を落ち着かせるように、小あがりに腰を下ろさせた。
「志乃様。旦那様はご招待はされておりますが、実際に参加されるかは、私も存じ上げないのでございます」
「え……そうなのですか」
志乃はうつむくと、じっとチラシを見つめる。
――やっと旦那様に、お会いできると思ったのに……。
すると五木が優しくほほ笑みながら、志乃の顔を覗き込んだ。
「でも、せっかく旦那様がご用意なされたのですから、志乃様はお行きなさいませ。この日は、五木がご一緒しましょう」
「え? 五木さんが? 旦那様はよろしいのですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。旦那様もきっと、五木は志乃様に付き添うようにとおっしゃるでしょう」
志乃はにっこりとほほ笑むと「はい」と元気よく返事をした。
そして次の日曜日、快晴の中、志乃たちは軍楽隊の演奏会を迎えたのだ。
「もちろん、そうでございましょう」
「つまり、旦那様にお会いできると」
志乃の勢いに、五木はフォッフォッと笑い声を立てると、興奮する志乃を落ち着かせるように、小あがりに腰を下ろさせた。
「志乃様。旦那様はご招待はされておりますが、実際に参加されるかは、私も存じ上げないのでございます」
「え……そうなのですか」
志乃はうつむくと、じっとチラシを見つめる。
――やっと旦那様に、お会いできると思ったのに……。
すると五木が優しくほほ笑みながら、志乃の顔を覗き込んだ。
「でも、せっかく旦那様がご用意なされたのですから、志乃様はお行きなさいませ。この日は、五木がご一緒しましょう」
「え? 五木さんが? 旦那様はよろしいのですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。旦那様もきっと、五木は志乃様に付き添うようにとおっしゃるでしょう」
志乃はにっこりとほほ笑むと「はい」と元気よく返事をした。
そして次の日曜日、快晴の中、志乃たちは軍楽隊の演奏会を迎えたのだ。