大正ゆりいろ浪漫~拝啓 死神の旦那様~
「今日、田所先生よりお話があり、母の病状はもう心配ないとのことでした。無事、回復したと思ってよいと」
「それは、ようございました」
五木は満面の笑みを向けると、志乃の前にそっと湯飲みを置く。
志乃は湯飲みを受け取ると、小あがりに腰を掛けた。
「あの、五木さん……」
湯飲みに口をつけながら声をかけようとすると、五木は何やら探し物でもするように、脇に置いてある棚をごそごそと探っている。
しばらくして五木は、何かを盆にのせ、志乃の前に現れた。
「これを志乃様に。旦那様よりの、お気持ちです」
五木が差し出した盆には、封筒が置かれている。
「旦那様から……?」
志乃は小さく首を傾げると、ずっしりと厚みのある封筒を手に取った。
不思議そうに中を開いて覗き込んだ志乃は、途端にはっと息を止める。
「五木さん、これは……? これは一体、何のお金ですか!?」
大きく問いただすような志乃の声に、五木は少し困ったように眉を下げた。
「それは、ようございました」
五木は満面の笑みを向けると、志乃の前にそっと湯飲みを置く。
志乃は湯飲みを受け取ると、小あがりに腰を掛けた。
「あの、五木さん……」
湯飲みに口をつけながら声をかけようとすると、五木は何やら探し物でもするように、脇に置いてある棚をごそごそと探っている。
しばらくして五木は、何かを盆にのせ、志乃の前に現れた。
「これを志乃様に。旦那様よりの、お気持ちです」
五木が差し出した盆には、封筒が置かれている。
「旦那様から……?」
志乃は小さく首を傾げると、ずっしりと厚みのある封筒を手に取った。
不思議そうに中を開いて覗き込んだ志乃は、途端にはっと息を止める。
「五木さん、これは……? これは一体、何のお金ですか!?」
大きく問いただすような志乃の声に、五木は少し困ったように眉を下げた。