その恋は消費期限付き
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「こんなところにいたら車に轢かれちゃうよ」
上から優しい声が降ってくる。
目が覚めたばかりの私はその人がどんな顔をしているのか、はっきりと見えない。
包み込むようにそっと安全な場所へと連れて行かれる。
「もう道路脇なんかにいちゃダメだよ」
そう言い残し去ろうとした男の子の背中を、通りすがりの車のヘッドライトが照らす。
ほんの一瞬だけ見えた君の顔は脳裏に焼き付いたまま、今でも忘れない。
あぁ、これが一目惚れか。
私は危ないところだった命を助けてくれた君に恋におちた。
許される恋じゃないことは分かっている。
君には私じゃなくて、もっと別に釣り合う人がいる。
胸が締め付けられ、それでも君に確かな恋心を抱いた瞬間だった。
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