その恋は消費期限付き
メッセージに既読がつかないまま一夜明けた。
学校に行く前に美奈の家に寄ってみたが出なかった。
学校が終わり、しつこいと分かっているが美奈の家のインターホンを押す。
「……は…い」
とても以前鈴のような声だったとは思えない、掠れた声がインターホン越しに聞こえた。
一瞬、美奈本人か疑ったが一人暮らしと言っていたから本人なのだろう。
「隼人です。美奈?」
「帰って……」
「待って。話があるんだ」
「私は……な…い」
苦しそうに言葉を紡いでいる。
時折、咳をしているかのような声が聞こえる。
本当に風邪を引いているのかもしれない。
「そのままでいいから聞いて。聞きたくないって思ったらインターホン切っていから」
深呼吸をし、言いたいことをまとめる。