副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
俺はキッチンに戻って二人分のコーヒーを淹れる。
コポコポといい香りが広がる。
「那智ー、コーヒーブラック?」
キッチンから叫んだ。
「ブラックー! あ、いや、砂糖だけー」
返事が返ってきた。
ははは。
俺は那智のコーヒーに砂糖を入れてやる。
冷蔵庫から貰い物のチョコレートも持ってまた部屋へ向かった。
「はい」
テーブルにコーヒーを置く。
「ありがとう」
那智は一口コーヒーを飲むとまた手を動かし始めた。
「那智、口開けて」
那智はあーと開けた。
そこに冷たいチョコレートを入れてやる。
「んー! 美味しいー!」
もぐもぐしながら画面に視線が戻った。
俺はそのまま那智が作業する部屋のソファに座りタブレットを見る。
物件情報を探す。
お互い何も話さないが落ち着く。